クイーン・エリザベス号乗船記④ ドレスコード
この懇談の席上、顧問弁護士事務所のB弁護士が、甲社のインハウスローヤーであるA子さんに、2年間の経験、特に顧問弁護士との関係のあり方について、率直な感想を求めました。
A子さん。では、社交辞令は止めて、腹蔵のない話をするので、いろいろ教えていただきたい、と言いながら、語ったものでした。
A子さんの話の要旨は、
1顧問弁護士事務所乙は、意外と、甲社のことが把握できていない。
2また、顧問弁護士事務所に提供した甲社の情報が、整理された形で残されていない。
3乙事務所では、B弁護士以外の弁護士も、A子さんと打合せをすることがあったが、弁護士間で、甲社の情報が交換されていたことは一度もなかった。
4しかし、顧問弁護士から学ぶことは多かった。顧問弁護士を訪ねることが楽しかった。A子さんのする質問には、ひとつ一つ丁寧に判例・文献の根拠を示されて、的確に回答がなされたので、その法律情報は、甲社の財産になっている。それを会社内で、必要な人たちの共通の財産として周知することを心掛け、また保管している。
5それらの情報は、そのまま保存するのではなく、A子さんが別の機会に得た関連情報があるときは、その情報を加えることで、より充実したものにしている。
等等でした。