クイーン・エリザベス号乗船記⑤ 食事
A子さんの勤務する甲社の顧問弁護士事務所には、中堅のB弁護士がいて、A子さんとの交渉窓口になっています。
B弁護士は、A子さんがインハウスローヤーになってからというもの、甲社からの相談がずいぶん楽になったと感じるようになりました。まず、言葉が通ずるのです。それまでは隔靴掻痒の感のあった法律用語に対する甲社の理解の程度が、格段に良くなったのですから、B弁護士には、感激ものでした。もう、あのわけの分からない甲社幹部の法律論に悩まされることもなくなりました。情報も、一方的に偏ったものだけでなく、法的に意味のある、そして甲社には有利なものと、不利なものが全部、A子さんを通じて提供されてくるのですから、これにも感激したものでした。