クイーン・エリザベス号乗船記⑥ 天気晴朗にして,波静か
A子さんはインハウスローヤーになって3年目。毎日の出勤が楽しくてならないそうです。
入社後すぐに、社長の片腕になったのですから、すごいものです。
これもすべて彼女がローヤーであるおかげだったのです。
A子さん。ある日、社長と会社幹部に連れられて行った先が顧問弁護士の事務所。
用件は、会社の取引に関する相談。
話は、最初は、社長・幹部対弁護士の間でなされる。
しかし、いつしか、A子さん。外国語の通訳よろしく、社長や幹部の言葉を、法的意味のある言葉で弁護士に伝え、また、弁護士から弁護士が欲しがる会社の情報を、社長や幹部に伝える、仲介の役。
しかし、社長や幹部には、その情報を持ち合わせていない(社長や幹部は意外に自社の情報は持っていないことが多い)ため、次回までに会社の方で情報を整理し弁護士に提供することを約してその日は散会。
帰社後、A子さん。会社の関係部署を回って、弁護士が欲しがる情報の収集に努める。
次に顧問弁護士事務所へ行ったのは、A子さんと関係部署の責任者及び直接の担当者に技術者。もはや社長や幹部は、顧問弁護士事務所へ行っても情報の提供は出来ず、弁護士の言葉が理解できない存在になっていた。そこで社長や幹部は、顧問弁護士事務所へ行くのはA子さんと情報提供できる社員のみにし、顧問弁護士の意見はA子さんから報告を受けることが最善と判断。