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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

相続相談 12 取引履歴開示請求

相続相談

2012年7月22日 / 2012年8月15日更新

Q 父が亡くなり、兄と遺産分割の協議を始めましたが、兄は、父の証券会社との取引内容を教えてくれません。そこで、私から、証券会社に取引履歴の開示を求めようと思いますが、できますか?

A あなたは、証券会社に対し、「相続ノート」57ページに書いている取引履歴開示請求ができます。すなわち、
最判21.1.22は、預金者の相続人の1人が、金融機関に対し、預金者名義の口座にかかる取引履歴の開示を請求したことに関し、
①取引履歴の開示請求の根拠について、
金融機関と預金者とは、たんに消費寄託契約だけではなく、預金の返還,振込入金の受入れ,各種料金の自動支払,利息の入金,定期預金の自動継続処理等の,委任ないし準委任契約をも締結しており、金融機関は、その委任契約上の義務として、委任者の求めに応じて委任事務等の処理の状況を報告すべき義務を負う(民法645条,656条)が、この義務は、委任者が、委任事務等の処理状況を正確に把握するとともに,受任者の事務処理の適切さについて判断するため,必要不可欠であるので、金融機関は,預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負う。

②預金者の1人からの請求について、
預金者が死亡した場合,その共同相続人の一人は,預金債権の一部を相続により取得するにとどまるが,これとは別に,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の預金口座についてその取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる。

③他の共同相続人との関係について
金融機関のする、被相続人名義の預金口座の取引経過の開示が、共同相続人に対してなされる限り、そのうちの1人に開示した場合にすぎないとしても、預金者のプライバシーを侵害する余地はない。

と判示して、全相続人の同意がないと被相続人名義の口座に関する取引履歴を開示できない、とする金融機関の主張を認めませんでした。

最判のこの理は、金融機関との預金契約のみならず、証券会社との証券取引契約にも妥当しますので、あなたの場合、単独で、証券会社に対し、被相続人名義の口座に関する取引履歴請求が出来ます。

ご相談は弁護士法人菊池綜合法律事務所へ!

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