抵当権と税金の優劣関係
1 代償分割
代償分割とは、相続が開始し、遺産分割をするとき、相続財産を取得する者が、その取得の代償に、他の相続人に金銭その他の財産を、支払うか交付することを言います。
例えば、夫が亡くなり、相続人が妻と長男、長女の3人とした場合で、遺産分割協議が始まったとき、妻が全財産を取得し、妻から長男、長女に一定の金額の支払いをすることにすれば、それが代償分割です。
3 代償金の支払いをした者、受けたものに税金がかかるか?
かかりません。
4 では、相続税は、どうか?
相続税は、代償金の有無とは関係なく、課税遺産額によって決まります。
5 では、代償金を支払った者、代償金の支払いを受けた者が、相続する財産はいくらか?
相続税基本通達11の2-9 は、
(1) 代償財産の交付を受けた者は、相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額との合計額を相続により取得したものとして計算すること
(2) 代償財産の交付をした者は、相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額から交付をした代償財産の価額を控除した金額を、相続により取得したものと計算することと定めています。