契約書知識 16 契約書の表記は公用文表記法による
これは、契約条項2の秘密保持条項と共通するものがあります。
簡単バージョンのひな形のみ紹介します。
ひな形は、甲が乙に対して一定の業務を委託する場合の、甲が取得している顧客情報に関するものです。
【ひな型】
個人情報の保護に関する覚書
○○○○株式会社(以下、甲という。)と△△株式会社(以下、乙という。)とは、以下に記載する業務委託契約(以下「本業務委託契約」という。)につき、乙が甲から取得する顧客に関する個人情報に関して、次のとおり覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。
記
○○○○に関する業務委託契約
(目的)
第1条 本覚書は、甲の顧客に関し、乙が取得する個人情報(以下「取得個人情報」という。)の適切な取扱いを確保することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 「個人情報」とは、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、
生年月日その他の記述等によって特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう。
(目的外利用の禁止)
第3条 乙は、本業務遂行上必要な範囲内でのみ個人情報を利用することができ、この範囲を超えて利用してはならない。
(個人情報の授受)
第4条 甲から乙に個人情報の受渡しをする場合は、その授受を明確にするために、 授受があった旨を記載した書面又は電子メールを取り交わす。
(秘密保持義務)
第5条 乙は、取得個人情報について、以下に規定する各金融機関または業者を除く第三者に開示、漏えいしてはならない。
記
(省略)
2 乙は、乙の役員及び従業員に対し、その在職中及び退職後においても、取得個人情報について、秘密を保持するよう義務付ける。
(安全管理措置)
第6条 乙は、善良なる管理者の注意をもって取得個人情報を厳格に管理する義務を負い、当該取得個人情報の漏えい、紛失の防止その他の個人情報の安全管理のために、人的、物理的、組織的及び技術的な安全管理措置を講じなければならない。
(個人情報の返還、廃棄)
第7条 乙は、本業務委託契約が終了したとき、または甲の要請があったときは、
直ちに甲に取得個人情報を返還しなければならず、この授受においては書面又は電子メールを取り交わすことによって記録を残す。
2 乙は、取得個人情報を出力した媒体または取得個人情報の複製物があるときは、これらを廃棄または消去し、その旨を書面又は電子メールにより甲に報告する。
(契約遵守状況等の確認)
第8条 甲は、乙に対し、本覚書の遵守状況や個人情報の利用・管理状況について、 必要に応じて、乙の書面又は電子メールによる報告を求めることができ、乙は速やかにこれに応じなければならない。
(事故時の連絡)
第9条 乙は、取得個人情報に関し、漏えいまたは紛失が発生したとき、または発生するおそれがあるときは、直ちにその旨を甲に連絡しなければならない。
(損害賠償額の予定)
第10条 乙が個人情報を漏洩したときは、故意、過失を問わず、甲に対し、金○○万円を支払う。
(有効期間)
第11条 本覚書の有効期間は、本業務委託契約の有効期間と同じとする。
(存続条項)
第12条 本覚書の有効期間終了後も、第5条及び第10条の規定については、効力を失わず存続するものとする。
(協議)
第13条 本覚書に定めのない事項、または本覚書各条項の解釈上疑義が生じた事
項については、甲乙が誠意をもって協議解決する。
本契約の成立を証するため、本契約書を2通作成し、甲乙双方が各1通保有する。
平成 年 月 日
甲
乙