間違えやすい法令用語1 「施行する」・「適用する」
これらの用語は、一定の時点を基準として、その時間的前後関係を表す言葉です。
1 「以前」と「前」の違い
以前の「以」は、基準時点を含む場合の用語です。
平成23年8月23日以前という場合は、8月23日を含めてそれより前の時間的広がりをいいます。
たんに「前」とすると、基準時点は含みません。ですから、平成23年8月23日前という場合は、8月22日から前の時間をいいます。
「以後」と「後」も同じく、「以」がある場合は、その基準時点を含み、「以」がない場合は、それを含まないのです。
2 法令上の使われ方
地方税法及び地方財政法の一部を改正する法律(平成六年法律第一五号)附則4条は「別段の定めがあるものを除き、新法の規定中不動産取得税に関する部分は、施行日以後の不動産の取得に対して課すべき不動産取得税について適用し、施行日前の不動産の取得に対して課する不動産取得税については、なお従前の例による。」と規定していますが、その法律の施行日は平成6年4月1日ですので、たまたま同日に不動産を取得した者は、「施行日以後の不動産の取得」者ですので新法の適用を受け、平成6年3月31日に不動産を所得した者は「施行日前の不動産の所得」者ですので、旧法の適用を受けるということになります。