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間違えやすい法令用語 23 受理と受領

2011年8月9日 公開 / 2012年8月17日更新

テーマ:法令用語

コラムカテゴリ:法律関連

1 受理
受理とは、「申請や届出という他人の行為を公の機関が有効な行為として受け取る意思表示」としての意味を有します。たんに物理的に受け取ったという意味ではなく、届出が有効であることを認める受理者の意思が入った行為です。

2 受理には一定の法的効果が生ずるのが通例
例:婚姻の届出と受理
民法739条1項は「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。」と規定していますので、婚姻は、当事者の婚姻届書の提出で効力を生ずるように読めますが、民法740条は「婚姻の届出は、その婚姻が・・・の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。」と規定していますので、婚姻は、婚姻の届出書を市町村長に提出しただけでは効力は生じず、市町村長が適法な婚姻であるとして婚姻届を受理したときに、はじめて婚姻が成立することになるのです。すなわち、
この場合の「婚姻の届出」とは「婚姻届書の提出」+「その受理」ということになるのです。
このように受理は、「申請や届出が有効であることを承認する」意思表示を意味しますので、それによって一定の効果が付与されるのが一般です。

3 受領
受領は、受理とは同じような意味ですが、通常は、他人から、一定の給付を受け取る意味、「受理」とは違った意味で使われます。
例:民法494条は「弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。」と規定している如くです。


この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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