地方行政 臨時職員と労働契約法18条による無期転換請求権
1 水道料金との違い
水道料の消滅時効期間は、水道料金が民法上の債権として扱われ、短期消滅時効期間である2年間になることは、本コラム「行政38」で解説したところですが、下水道使用料の消滅時効期間は5年間になります。
こう書きますと、一般の方は驚かれると思います。
2 消滅時効期間
下水道使用料の消滅時効期間は、地方自治法236条1項の「金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は、時効に関し他の法律に定めがあるものを除くほか、5年間これを行なわないときは、時効により消滅する。」との規定をもろに受けるのです。
3 水道料金との法の扱いの違い
法は、水道と下水道では、違った扱いをしています。
下水道法3条は「公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行うものとする。」と規定しています。また、同法20条は、「公共下水道管理者は、条例で定めるところにより、公共下水道を使用する者から使用料を徴収することができる。」と定めています。そして、地方自治法231条の3は、「・・・使用料・・・その他の普通地方公共団体の歳入を納期限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。」とし、同3項で「普通地方公共団体の長は、・・・法律で定める使用料その他の普通地方公共団体の歳入につき・・督促を受けた者が・・金額を納付しないときは、・・・延滞金について、地方税の滞納処分の例により処分することができる。・・・」と定めているのです。地方自治法附則6条も、下水道使用料のことは書いていますが水道料金のことは書いていません。
一方、水道法には、「使用料」という言葉もありません。ですから、水道料金の滞納には、滞納処分は課されないのです。
4結論
以上により、下水道料金は、公法上の債権として、消滅時効期間は5年間になるのです。