コラム
相続 31 不倫の相手への遺贈は、公序良俗に反し、無効なの?
2010年10月27日
大審院昭和18.3.19判決は、「妾契約の維持継続を条件」とする遺贈は公序良俗に反し、無効になると判示しましたが、最高裁昭和61.11.20判決は、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら女性の生活を保全するためのものであり、遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなどの事情があるときは、右遺贈は公序良俗に反するとはいえない、と判示していますので、全財産の遺贈など、残された遺族に過酷になるような遺贈ならともかく、不倫相手への遺贈が問題になるケースは少ないと思います。
それより、法律実務の世界では、妻を亡くした、徘徊癖のある83歳の中程度の認知症男性が、息子、娘の知らない間に、また、息子、娘が知らない女性との婚姻届出をなし、その直後に、「全財産を妻に相続させる。」との遺言を書く等、遺言能力をめぐる事件の方が、多いように思えます。
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。