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コラム

小よく大を制する方法は本当にあるのか?

2022年1月2日

テーマ:組織開発

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 組織開発組織マネジメント人材育成 研修

高校野球

今から数十年前、夏の全国高校野球
東東京大会。

実は、この時奇跡のようなことが
起こった。

毎年、東京大学進学率トップを誇る
あの超名門校、知る人ぞ知る開成
高校、その野球部が夏の地区予選で
ベスト16まで勝ち進んだのだ。

どう考えてもこれは「奇跡だ!」と
言って良いと思う。

ただし、これは決して偶然の産物
(まぐれ)などではない。

実は、これには、正しいビジョンと
正しい練習法があったという。

「日経Associe」2005年10月4日号の
特集から抜粋

野球部監督の青木秀憲氏曰く組織は
大きく分けて三つの種類があるという。

一つめは「無法地帯」。

いわゆる、弱小チームのレベルだ。
全体の統制が取れず、バラバラ状態。
全国の野球チームを見渡せば、多く
はこれに該当するチームではない
だろうか。

二つめは「強制統制」。

高校野球の強豪チームにこれが多い。
カリスマ監督のもと、それに忠実に
従って動く選手がたくさんいるチーム。

三つめは「自律」。

選手が自分をコントロールして動く
状態のチーム。

監督曰く、開成高校が目指したのは
この3つ目の「自律」型チームだと
いう。

そのため、管理は一切しない。

強いて言えば、その生徒(選手)に
必要だと思える練習メニューを紹介
する程度だと言い。

その中から選手自身に選ばせると
いう。

自主性を育てるために、あえて管理を
しない。

正直、そんな風にしたら下手をすると
「無法地帯」になりかねないのでは?
と素人考えかもしれないが疑問がわく。

しかし、選手全員に目標が共有され
相互に信頼があれば賢明な選手たちは
自分を自律的にコントロールし始める
という。

また、練習に避ける時間は週に3時間
だけと決めたという。

それがハンデにならない為に効率的な
練習法を工夫したというのだ。

逆に言えば、「それだけでの練習時間
でも充分に甲子園に行けるし、全国
制覇だって夢ではない」(青木監督)
と考えたのだ。

ここで重要なのは、練習の優先順位を
間違えてはならないということ。

常識で考えれば、大多数のチームは
守備練習に多くの時間を割くことは、
正しい選択(常道)だろう。

確かに練習時間をたっぷり取れる
強豪校の野球チームであれば、
当然の帰結だろう。

だが、青木監督に言わせれば、
それは間違っているというのだ。

よくよく考えてみれば、一試合の
中で打球が一人の選手に飛んで
くる打球はそんなに多くない。

しかも、飛んでくるボールの中には、
誰にでも取れる簡単なものもあれば、
どんな名選手でも取れないクリーン
ヒットもあるはずだ。

だとすれば、一生懸命に守備練習
しても点数をとることはできない
という理屈には頷ける。

つまり、守備中心の練習を通して
チームが勝てるようになる確率は
低いということだ。

一方、バッターボックスに立つ回数は、
先発フル出場すれば一試合に確実に
3~4回は回ってくる。

その事実を踏まえて、このチームでは、
全員がとにかく遠くまで飛ばす打撃力を
つけることを練習の中心に据えた。

つまり、打率を高め、しかも長打力を
つける練習を徹底的にやったのだった。

監督は、「打線をつなげれば強豪相手に
打ち勝つことだって可能だ」と考えた。

それに、高校野球はプロ野球と違って
一点を争う試合はそんなに多くない。

その成果もあって、前年の夏の大会で
開成高校野球部のチーム打率は4割を
超えたという。

また、ヒットの3本に1本は長打という
破壊力も見せつけ、勝ち進んだ。

いつの日かこんなチームが全国制覇
する日がくるかもしれないと想像すると
なぜかワクワクしてしまう。

この開成高校野球部の「常識をくつがえす
練習方法と管理法」

非常識

これは、会社組織にも通ずるものがある
はずだ。

あなたの会社でもこの常識を覆す練習
方法と管理法を参考に組織マネジメントに
応用してはいかがだろうか?

この記事を書いたプロ

内布誠

会社中をワクワクさせる人材育成(研修)のプロ

内布誠(ウチヌノ人事戦略事務所)

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