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佐々木保幸

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佐々木保幸(ささきやすゆき) / 税理士

税理士法人 洛

コラム

法人減税5%決定、個人増税5500億円、 証券優遇は延長の公算

2010年12月15日 公開 / 2014年12月29日更新

テーマ:個人・法人 共通の税金

コラムカテゴリ:ビジネス


政府は13日、2011年度税制改正の焦点である法人課税の実効税率を5%引き下げることを決めた。政府税制調査会は同日、相続税の最高税率を引き上げるなど国・地方合わせて5500億円超の増税となる個人課税の見直しを税制改正大綱に盛り込むことを決めた。一方、11年末で期限切れとなる証券優遇税制は延長の公算が大きくなった。

国税と地方税を合わせた法人課税の実効税率は40.69%(東京都の場合)。これを国税の法人税を約4%、地方税を約1%下げる。一方、政府税調が同日了承した個人課税のとりまとめ案では、所得税や住民税など所得課税で2900億円超、相続税など資産課税で2600億円超の増税を見込む。

〇所得課税では、
(給与所得控除を圧縮)
サラリーマンの税負担を年収に応じて軽減する給与所得控除を縮小する。現行制度では年収が増えるほど控除額が膨らむが、年収1500万円を超すと控除額を245万円で頭打ちとし、年収2000万円を超える報酬を得ている企業の役員などは控除額を一般社員に比べ圧縮。例えば年収4000万円超は控除額を半額の125万円に抑える。役員に加えて国会議員、地方議会議員、国家・地方公務員も対象。給与所得控除の縮小で、サラリーマン全体の1.2%を占める50万人程度が増税となる見通し。

(成年扶養控除を縮小)
23~69歳の親族を扶養する納税者に対する成年扶養控除も縮小する。年収が568万円(所得400万円)超の場合は「廃止」。ただ扶養している成年の親族が学生や障害者、65歳以上の高齢者の場合は引き続き税による支援が必要だと判断し、控除を継続する。

〇資産課税では、
(相続税 税率引き上げ・基礎控除圧縮)
相続税の最高税率を現行の50%から55%に引き上げ、基礎控除を4割圧縮する。現行制度では5000万円(定額部分)に、法定相続人1人あたり1000万円を加えた金額を遺産額から控除できる。これを定額部分3000万円、1人あたり600万円に下げる。
(贈与税 税率引き下げ 課税繰延べを孫まで拡大)
若年世代への資産移転を促すため贈与税は減税する。20歳以上の子や孫へ贈与する場合の税率を引き下げるほか、生前贈与では課税繰り延べ措置の対象を孫まで広げる。

(12/14付 日本経済新聞朝刊より)

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