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佐藤宣幸

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佐藤宣幸(さとうのぶゆき) / 薬剤師

有限会社 すみれ漢方施薬院薬局

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コラム

アトピー性皮膚炎治療でステロイドと漢方薬を併用するときの注意点

2015年9月19日

テーマ:慢性疾患に処方される漢方薬

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: アトピー 治療漢方薬 効果東洋医学

アトピー性皮膚炎とはどのような症状か?


主な特徴として、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみの伴う湿疹が出るのがアトピー性皮膚炎です。

現在のところはっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝による体質に環境などが強く関係して発症すると考えられています。

アトピー性皮膚炎もアレルギー反応の一つであり、アレルギー反応とは免疫の過剰反応によって起こる症状をいいます。

また、東洋医学ではアトピー性皮膚炎を大きく二種類のタイプに分けて判断します。
熱が原因の炎症であるのか、冷えが原因の炎症であるのかです。
熱が原因の場合には清熱法によって熱を冷ます治療をし、冷えが原因の場合には体質改善によって体内を温めていく治療を行います。

漢方療法とステロイドの併用


アトピーの症状によっては、ステロイド薬を服用したり、あるいは外用薬として使用している方も多いと思います。

ステロイドには、炎症を抑える働きや免疫の過剰反応を抑制する働きあります。人間の体内でも作られるホルモンの一種で、副腎皮質ホルモンと呼ばれています。このホルモンの働きにより、私達人間の体は免疫力や炎症による影響のバランスを保っているのです。

ところが、アレルギー反応が起こった体は、免疫力のバランスが取れない状態になっているため、内服薬や外用薬を使用してホルモンバランスを抑制しています。
即効性が強いため、一時的な症状を緩和するのには適しています。

東洋医学に基づくアトピー性皮膚炎の治療では、アトピーの種類と体質に応じた漢方を服用していきます。症状の改善を目的としていますので、じっくり確実に効果を発揮するでしょう。

ただし、漢方治療を始めて間もない方は、自己判断でステロイドの使用を中止するのはよくありません。突然中止してしまうと、皮膚症状の悪化や治療期間が延びてしまいますので、中止する、しないの判断は、専門医師に任せてください。


自己判断のステロイド中止はとても危険!


西洋薬と漢方の併用はほとんどの種類に問題はありません。しかし、薬であることに違いはないため、自己判断での服用や使用の中止は症状を重くしてしまうこともあります。


また、ステロイドの自己判断による中止は以前よりも皮膚症状が悪化し、再度治療をするにしてもとても時間がかかる場合があります。

症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す皮膚炎ですので、少し良くなったからという理由だけで薬を中止しては、せっかく今まで治療してきたことがムダになってしまいます。

漢方療法と西洋薬の併用をお考えの方は、正しい使用方法を理解したうえで治療していかなければいけません。

この記事を書いたプロ

佐藤宣幸

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佐藤宣幸(有限会社 すみれ漢方施薬院薬局)

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