234【マンスリーマンション】国土交通省に質問してみた 宅建業の監督と「7日以上30日未満」の短期利用

#248 マンスリーマンション問題 質問から要請へ 消防署に営業停止等の措置を要請
所有する分譲マンションの一室を、不動産会社L社に住居用として賃貸していました。
ところが、L社が所有者に無断でマンスリーマンションとして営業していたことが判明しました。
しかも約10年間です。
現在、建物明渡しと損害賠償を求めて民事裁判中です。
そもそも賃貸借契約は住居専用。僕の会社は、マンスリーマンションとしての営業を一度も承諾していません。
これまで警察、保健所、消防署、保証会社、建物管理会社などに質問状や情報提供書を送ってきました。
また、L社は宅地建物取引業者です。不動産会社を監督する立場にある福岡県宅建課にも、今回の営業実態について情報を共有しています。
その回答が、少しずつそろってきました。
特に大きかったのは、保証会社、建物管理会社、博多保健所からの回答です。
これまでは質問の段階でした。
しかし、確認できた事実が増えたことで、次の段階に進めます。
「質問から要請へ」
10月14日、博多消防署に対し、消防法令への適合調査と営業停止を含む具体的な措置を正式に要請しました。
■ 保証会社、建物管理会社、保健所の回答
今回の問題について、現在までに確認できた事実を整理します。
① 所有者・賃貸借契約
原賃貸借契約は住居専用です。
僕の会社は、マンスリーマンション営業を承諾していません。
② 保証会社
保証会社も住居用契約を前提としており、営業利用について説明も承諾も受けていないと回答しています。
③ 建物管理会社
10月9日付の書面で、不特定多数の利用者を反復して受け入れる宿泊営業は、管理規約上認められないと回答しています。
長短の期間は関係なく不可です。
建物管理会社自身も、今回の問い合わせで初めて営業実態を知ったそうです。
④ 博多保健所
この住戸について、旅館業法上の営業許可はありません。
現在、L社に営業実態を確認する調査票を送付し、調査を進めています。
さらに、予約サイトには「7日以上30日未満」の短期利用プランが掲載されています。
2022年には、三井住友海上火災保険を引受保険会社とするマンスリーマンション事業用の保険に加入していたことも確認できました。
施設賠償責任の補償額は、対人・対物各1億円です。
住居専用の賃貸借契約でありながら、事業用の保険まで用意して営業していたわけです。
■ 消防署からの回答
以前、博多消防署にも質問状を送りました。
消防署からは、短期利用の実態によっては通常の共同住宅とは異なる消防設備や安全管理が必要になる可能性があるとの回答がありました。
一般の分譲マンションは、居住用の共同住宅として設計されています。
一方、不特定多数の短期利用者を反復して受け入れる場合、実際の利用形態によっては、消防法令上の用途判定が変わる可能性があります。
L社は、7日以上30日未満の短期利用プランを掲載しています。
契約書に「定期建物賃貸借契約」と書いてあれば、消防法上も通常の共同住宅として扱ってよいのでしょうか。
消防署には、契約の名称ではなく、実際の営業形態を確認してもらう必要があります。
■ 消防設備は対応しているのか
今回、消防署に確認を求めたのは、主に次の事項です。
- 実際の利用形態に応じた消防法上の用途判定
- 消防用設備の設置・維持状況
- 避難経路、避難誘導、防火管理の適切性
- 短期利用者の入替えを前提とした火災予防対策
- 必要な届出や消防法上の手続の履行状況
通常の居住者であれば、建物の避難経路や消防設備の場所をある程度把握しています。
しかし、初めて訪れた短期利用者はどうでしょうか。
火災が発生したとき、非常階段の場所を知っているでしょうか。
停電しても安全に避難できるでしょうか。
避難はしごや消火設備の場所を把握しているでしょうか。
さらに、分譲マンションの一室を借りた事業者が、共用部分にスプリンクラーや消火栓を追加したり、非常用電源を整備したりすることは簡単ではありません。
消防車が進入する道路を広げることも、はしご車の活動スペースを新たに確保することもできません。
営業するのは一室でも、火災時の危険は建物全体、さらには周辺の建物にも及びます。
■ 消防法には使用停止を命じる制度がある
今回、特に確認を求めたのが消防法第5条の2です。
消防法には、一定の法定要件を満たす場合、防火対象物の使用禁止、停止、制限を命じる制度があります。
もちろん、マンスリーマンション営業をしているという理由だけで、直ちに使用停止命令が出されるわけではありません。
消防法令への不適合や火災予防上の危険などについて、具体的な調査と法定要件の確認が必要です。
そこで、博多消防署に次の5項目を正式に要請しました。
1. 現地調査と必要な資料の確認
2. 消防法上の用途判定、消防設備、防火管理の適合状況の確認
3. 不適合や危険が認められた場合の是正指導と法的措置
4. 博多保健所と連携した営業停止を含む措置の検討
5. 消防法第5条の2による使用禁止・停止・制限命令の要件確認
消防署には、旅館業法を所管する保健所とは別に、火災予防と消防法令への適合を確認する役割があります。
保健所の調査結果が出るまで、消防署が何もできないわけではありません。
■ 32室中4室がマンスリーマンション
さらに調べてみると、今回のマンションでは、L社とは別のS社も3室をマンスリーマンションとして運営していることが分かりました。
本マンションは全32室。
少なくとも4室、全体の12.5%がマンスリーマンションとして営業されています。
博多駅から徒歩10分という立地の良さが、よく分かります(笑)。
確認できていないだけで、ほかにも存在するかもしれません。
L社は86室、S社は福岡で418室のマンスリーマンションを運営しています。
2社を合わせると504室です。
しかし、消防の観点では気になる数字です。
一室だけなら共同住宅として扱われるのでしょうか。
同じマンションで4室がマンスリー利用されていたらどうでしょうか。
さらに利用される住戸が増えた場合、建物全体の消防法上の取扱いに影響することはないのでしょうか。
消防設備や避難経路は、個々の部屋だけで完結するものではありません。
複数の事業者が別々に営業していても、火災の危険を負うのは同じマンションの居住者です。
なお、S社の各住戸について、所有者の承諾の有無や消防法令への適合状況まで確認できたわけではありません。
■ L社が退去しても問題は終わらない
仮に今回の訴訟でL社が退去したとしても、ほかの3室の営業が続けば、建物全体の安全管理の問題は残ります。
自分の部屋が返ってくれば解決、という話ではありません。
そこで、建物管理会社には、各区分所有者への確認など、建物全体の営業実態を把握するための対応を要請しました。
僕自身も、S社の営業実態について、警察への告発、保健所・消防署への情報提供を行う方針です。
もちろん、マンスリーマンション営業というだけで、直ちに旅館業法や消防法に違反するわけではありません。
実際の利用形態や営業許可、消防設備などの確認が必要です。
ただ、管理規約上認められない営業であれば、運営会社がL社でもS社でも問題は同じです。
消防署には702号室だけでなく、建物全体の利用実態にも目を向けてほしいと考えています。
■ 警察署、保健所、保証会社、そして消防署
今回、対応を求めている機関には、それぞれ役割があります。
警察署は、犯罪の疑いがあれば捜査を行います。
保健所は、旅館業法上の営業実態を調査し、違反が確認されれば必要な行政措置につなげます。
保証会社は、住居用保証契約の条件に基づいて、契約上の対応を検討できます。
消防署は、消防法令への適合状況を調査し、必要に応じて是正指導や法的措置を行うことができます。
さらに、福岡県宅建課にも情報を共有しています。
L社は宅地建物取引業者です。
自分で住居専用の賃貸借契約を締結しながら、所有者の承諾なく営業転用していたという事実について、宅建業者としての業務の適正性を確認してもらう必要があると考えています。
宅建業法上の監督措置の対象になるかどうかは、県の判断になります。
それぞれ役割も権限も異なりますが、今回の問題について確認・対応できる立場にあります。
■ 火災や事故が起きる前に
僕が求めていることは、難しい話ではありません。
警察でも、保健所でも、消防署でも、保証会社でも、福岡県宅建課でも構いません。
それぞれの権限や契約上の立場に応じて対応し、問題のある営業を止めてほしいのです。
僕自身も、L社に対して建物明渡しと損害賠償を求める民事裁判を起こしています。
しかし、裁判には時間がかかります。
また、仮に裁判でL社が退去しても、同じマンションでは別のS社が3室をマンスリーマンションとして運営しています。
自分の部屋が返ってくれば、それで解決する問題ではありません。
そこで、建物管理会社には各区分所有者への確認などを要請し、僕自身も警察への告発、保健所・消防署への情報提供を進めます。
民事裁判、警察、保健所、消防署、保証会社、建物管理会社、福岡県宅建課。
それぞれ役割も権限も異なりますが、目的は同じです。
**火災や事故が起きる前に、問題のある営業を停止させてほしい。**
事故が起きてから調査しても、失われた命は戻りません。
■ 10月30日までの回答を要請
博多消防署には、今回の要請書に加えて、賃貸借契約書、保証会社・建物管理会社・保健所の回答書、保険加入証、予約サイトの資料、警察への告発状などを添付しました。
求めているのは、単なる一般論の回答ではありません。
実際に現地調査を行うのか。
消防法令上の用途判定をどうするのか。
保健所と連携するのか。
必要であれば、使用停止を含む措置を検討するのか。
10月30日までに書面で回答するよう求めています。
なお、10月14日付の要請書は702号室を対象としており、その後確認したS社の3室については、別途情報提供する予定です。
これまでの質問に対し、保証会社、建物管理会社、保健所などから回答が届き始めています。
その回答を資料として、次の機関に具体的な対応を求める。
今回は、その段階に進みました。
「勝手に他人をリスクにさらすな」
博多消防署がどのように対応するのか、回答を待ちたいと思います。
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