239【マンスリーマンション】警察への告発を準備 24ページの「告発状案」

竹下昌成

竹下昌成

テーマ:賃貸経営実務



239【マンスリーマンション】警察への告発を準備 24ページの「告発状案」


■ 警察に相談中 告発状案を作成しています

現在、

本件について警察に相談しています。


そして、

必要になれば正式に告発できるよう、

告発状と関係資料を準備しています。


作成した告発状案は、

24ページ。


今回は、

その内容を抜粋・要約して紹介します。


現時点では、

いったん、

「旅館業法違反の疑い」

を中心に告発状案を作成しています。


ただし、

警察に相談している内容を、

旅館業法違反だけに限定すると決めているわけではありません。


実際の営業実態を調べた結果、

ほかの法令との関係が問題になる可能性もあります。


また、

私自身が、

「犯罪が成立する」

と判断するものでもありません。


確認できた事実と資料を整理する。

私には調べられない部分について、

警察に確認を求める。

そして、

必要であれば告発する。


現在は、

その準備を進めています。


■ 始まりは単純な疑問だった

そもそもの始まりは、

私が所有するマンションの一室で、

マンスリーマンション営業が行われていることを知ったことでした。


本件住戸は、

L社に「住居」として賃貸している部屋です。


私が最初に思ったのは、

「普通の分譲マンションで宿泊業なんかダメでしょ?」

「民泊と同じやん?」

という単純な疑問でした。


ところが、

L社からは、

「公然と営業している」

「管理会社にも言った」

という趣旨の回答がありました。


それなら、

どういう仕組みで営業しているのか?

本当に問題ないのか?


そこから調べ始めました。


「公然と営業している」。

これは、

そのとおりでした。


実際に予約サイトで、

広く一般に募集されています。


しかし、

公然と営業していることと、

適正・適法に営業していることは、

イコールではありません。


「管理会社にも言った」。

こちらも確認しました。


しかし、

私が確認した範囲では、

その説明に該当する管理会社を確認できませんでした。


そこから、

契約、

管理規約、

保証会社、

保険会社、

建物管理会社、

宿泊税、

宅建業、

旅館業、

保健所、

消防、

と確認する範囲が広がっていきました。


そして現在、

警察にも相談しています。


■ 告発状案 告発の趣旨


【告発状案・抜粋】

――――――――――――――――――

被告発人らは、

福岡市内に所在する分譲マンションの一室を、

インターネット上において、

「マンスリーマンション」

として広く募集し、

「スーパーショート 7日以上~30日未満」

として、

1日単位で利用期間を選択できる状態で、

反復継続して有償提供している。


告発人は、

福岡市保健所博多衛生課に対し、

本件住戸を特定した上で、

旅館業法上の営業許可の有無を照会した。


その結果、

本件住戸について、

旅館業法上の営業許可は、

「なし」

との回答を得ている。


後記の営業形態及び、

厚生労働省が公表している旅館業法上の判断基準等に照らすと、

被告発人らの営業が、

旅館業法第3条第1項に定める許可を受けることなく、

旅館業を営む行為に該当する疑いがある。


よって、

本件住戸における、

実際の利用状況、

利用期間、

利用者の生活の本拠の有無、

衛生上の維持管理主体、

予約・契約実績、

旅館業許可の有無、

その他の営業実態について捜査の上、

違反事実が認められる場合には、

法令に基づき厳正に対処されたい。

――――――――――――――――――

【告発状案・抜粋ここまで】


■ 解説

「違反している」

と断定するのではなく、

営業実態を確認した上で、

警察に判断してもらう内容です。


■ 客観資料から確認できる営業実態


【告発状案・要約】

――――――――――――――――――

本件では、

少なくとも客観資料上、

次の営業実態が確認できる。


・7日以上30日未満の利用プラン

・1日単位の利用期間設定

・インターネットによる一般募集

・家具、家電、寝具等の提供

・光熱費及び清掃費の設定

・入居15時、退居10時という時刻設定

・反復継続した予約受付


予約サイト上では、

利用者との契約について、

「定期借家契約|貸主」

と表示されている。


また、

被告発会社は、

自社ホームページにおいて、

合計86室のウィークリー・マンスリーマンションを運営している旨を公表している。


さらに、

被告発会社自身が、

現在係属中の民事訴訟において、

本件住戸を契約締結当初から、

マンスリーマンションとして営業利用していたことを認めている。


これらの事情から、

本件営業が、

一時的又は偶発的なものではなく、

被告発会社の継続的な事業の一環として行われていたことがうかがわれる。

――――――――――――――――――

【告発状案・要約ここまで】


■ 解説

名称ではなく、

実際の営業形態をどう評価するのか。

ここがポイントです。






■ 本件住戸の旅館業許可は「なし」


【告発状案・抜粋】

――――――――――――――――――

福岡市が公開する、

旅館業営業許可施設一覧を確認したところ、

本件住戸に対応する許可を確認することはできなかった。


さらに、

福岡市保健所博多衛生課に対し、

本件住戸を具体的に特定して、

旅館業法上の営業許可の有無を照会した。


これに対し、

本件住戸について、

旅館業法上の営業許可は、

「なし」

との回答を得た。


したがって、

単に公開一覧上で許可を確認できないというだけではなく、

旅館業法を所管する行政機関に、

個別具体的に確認した結果としても、

本件住戸について、

旅館業法上の営業許可が存在しないことが確認された。


もっとも、

旅館業法上の営業許可が存在しないことのみをもって、

直ちに本件営業が同法違反に該当すると断定するものではない。


旅館業法違反の成否については、

本件営業が同法上の「旅館業」に該当するか否かについて、

実際の利用状況、

利用期間、

生活の本拠の有無、

施設の維持管理状況、

その他の営業実態を捜査した上で、

判断されるべきである。

――――――――――――――――――

【告発状案・抜粋ここまで】


■ 解説

本件702号室について、

旅館業許可は「なし」。

保健所への直接確認で、

ここは明確になりました。






■ 厚生労働省が示す判断基準


【告発状案・要約】

――――――――――――――――――

厚生労働省は、

旅館業とアパート等の貸室業との違いについて、

次の点を示している。


・施設の管理・経営形態を総体的にみて、衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること

・利用者がその部屋に生活の本拠を有しないこと


また、

インターネットサイト等を利用して広く利用者を募集し、

繰り返し宿泊させ得る状態についても、

「社会性をもって継続反復されているもの」

に該当し得るとの考え方が示されている。


さらに、

他者から借り受けた建物で旅館業を行う場合について、

転貸が禁止されていないことだけではなく、

「旅館業に使用することが可能となっていること」

を、

貸主又は賃貸住宅の管理会社に確認する必要があるとされている。

――――――――――――――――――

【告発状案・要約ここまで】


■ 解説

「マンスリー」

「定期借家契約」

という名称だけで、

決まる話ではありません。


■ 厚生労働省通知には「警察当局と連携」


【告発状案・要約】

――――――――――――――――――

厚生労働省の通知では、

旅館業法上の許可を受けていない事業者が、

「ウィークリーマンション等」

と称して、

マンション等の空室に短期間で客を宿泊させる事例について、

営業実態を調査するよう求めている。


そして、

無許可営業と判断される事業者については営業中止を指導し、

悪質な事例については、

「警察当局と連携して厳正に対応する」

よう通知している。


また、

1週以上を利用単位とし、

実態として1~2週間の短期利用者が大半であった、

ウィークリーマンションについて検討された通知も存在する。


旅館業法上の、

「人を宿泊させる営業」

に該当するか否かについては、

公衆衛生その他、

旅館業法の目的に照らして、

総合的に判断すべきものとの考え方が示されている。

――――――――――――――――――

【告発状案・要約ここまで】


■ 解説

行政への質問だけでは、

確認できないことがあります。

そこで、

警察にも相談しています。


■ 過去には同様の検挙事例もある


【告発状案・要約】

――――――――――――――――――

本件との関係で参考となる事例として、

宅地建物取引業者である法人が、

自社の管理する賃貸マンションにおいて、

宿泊料を受けて旅行客を宿泊させ、

法人及び担当者が、

旅館業法違反、

無許可営業で検挙された事例が公表されている。


本件と当該事例について、

具体的な営業形態、

利用期間、

その他の事実関係が同一であると主張するものではない。


しかし、

・宅地建物取引業者が営業主体であること

・マンションを利用した営業であること

・利用者から料金を受領していること

・旅館業法上の営業許可の有無が問題となること

という点では、

共通する部分がある。


本件についても、

契約名称や事業者の業種だけで判断するのではなく、

実際の営業形態を確認する必要があることを示す、

参考事例として整理している。

――――――――――――――――――

【告発状案・要約ここまで】


■ 解説

過去の事例と本件が同じ、

という話ではありません。

ただ、

マンション営業で実際に検挙された事例はあります。


■ 警察に確認を求める11項目


【告発状案・要約】

――――――――――――――――――

本件について、

特に以下の事項について確認を求める。


1 本件住戸について旅館業法上の営業許可が存在するか

2 住宅宿泊事業法その他の法令に基づく届出等の有無及び、本件営業について旅館業法以外の適法な宿泊営業の根拠が存在するか

3 実際の利用者ごとの利用開始日及び終了日

4 7日以上30日未満のスーパーショートプランによる実際の利用実績

5 利用者が本件住戸に生活の本拠を有していたか

6 利用者交替時の清掃、寝具交換その他衛生管理を誰が行っていたか

7 利用料金、光熱費、清掃費その他金員の受領実績

8 予約サイト等を通じた予約・契約実績

9 被告発会社が本件住戸を営業利用していた期間

10 被告発会社が公表する86室の運営物件のうち、本件住戸と同様の短期利用プランが設定されている住戸の有無及び、必要に応じたその営業実態

11 被告発会社及び代表者が本件営業形態を認識・決定していたか

――――――――――――――――――

【告発状案・要約ここまで】


■ 解説

ここから先は、

私には調べられません。

だから、

警察に確認を求めます。


■ 民事裁判とは別の問題


【告発状案・抜粋】

――――――――――――――――――

同民事訴訟において争点としているのは、

社員居住を前提とした住居用賃貸借契約に反して、

本件住戸をマンスリーマンションとして営業利用したことによる、

契約違反、

契約解除、

明渡し、

損害賠償

である。


同民事訴訟では、

「マンスリーマンション事業そのものの適法性」

や、

「旅館業法その他の法令違反の有無」

を、

判断対象としていない。


したがって、

本告発は、

民事上の契約紛争を刑事事件化することを目的とするものではない。


民事上の契約違反とは別個に、

実際の営業形態が、

旅館業法に適合しているかについて、

捜査機関に確認及び判断を求めるものである。

――――――――――――――――――

【告発状案・抜粋ここまで】


■ 解説

民事裁判の中心は、

「契約違反」。

旅館業法違反の有無とは、

分けて考えています。


■ 告発状案の結語


【告発状案・抜粋】

――――――――――――――――――

本件は、

単に、

「マンスリーマンション」

という名称を使用していることを理由として、

告発するものではない。


また、

「定期借家契約」

と表示されていることのみを理由として、

その適法・違法を判断するものでもない。


問題は、

「実際にどのような営業が行われているか」

である。


本件では、

7日以上30日未満の利用を公然と募集し、

1日単位で利用期間を設定でき、

家具・家電等を備え、

光熱費、

清掃費等を設定し、

入居・退居時刻まで指定した営業が、

反復継続して行われていることを示す客観資料が存在する。


さらに、

被告発会社は、

86室のウィークリー・マンスリーマンションを運営している旨を公表し、

本件住戸についても、

契約当初からマンスリーマンションとして営業利用していたことを認めている。


そして、

所管する福岡市保健所博多衛生課に、

本件住戸を特定して照会した結果、

旅館業法上の営業許可は、

「なし」

との回答を得ている。


厚生労働省も、

ウィークリーマンション等について、

名称ではなく営業実態を調査し、

旅館業法の適用を判断する考え方を示している。


そこで告発人は、

本件住戸について、

旅館業法上の営業許可が存在しないことを、

所管行政機関への照会により確認した上で、

被告発人らの営業が、

旅館業法上の「旅館業」に該当するか否か、

すなわち、

無許可で旅館業を営んだものとして、

旅館業法第3条第1項違反が成立するかについて、

捜査機関に対し、

営業実態を確認の上、

適正な捜査及び判断を求めるものである。

――――――――――――――――――

【告発状案・抜粋ここまで】


■ 解説

名称ではなく、

「実際の営業実態を確認してほしい」。

告発状案の中心は、

ここです。


■ 不動産オーナーの方へ 自分の物件も確認してみてください

今回の件は、

私の物件だけの問題とは限りません。


特に、

契約者が不動産会社で、

「社員寮」

「社宅」

「住居」

などとして貸している物件を所有している方は、

一度確認してみてもいいと思います。


私の物件も、

契約上は「住居」です。


本件マンションの管理規約も、

「住居専用・転貸不可」。


ところが実際には、

貸主である私が承諾していない状態で、

第三者への短期転貸が行われ、

マンスリーマンションとして営業されていました。


しかも、

インターネットの予約サイトで、

一般に募集されていました。


■ 確認方法はそれほど難しくありません

まず、

自分の物件名、

住所、

号室などで検索してみる。


マンスリーマンションや、

ウィークリーマンションの予約サイトも確認する。


契約者が不動産会社なら、

会社名でも検索してみる。


会社のホームページや予約サイトから、

運営物件が見つかる場合もあります。


そして、

入居管理会社にも確認する。


・現在の契約者

・実際の入居状況

・第三者利用

・転貸の有無


などについて、

把握している情報がないか聞いてみる。


私の場合も、

こうした確認を重ねることで、

実際の営業状況が分かってきました。


■ オーナーにも無関係ではありません

自分が知らなかったから、

何が起きても関係ない。

とは限りません。


普通の分譲マンションには、

ほかの区分所有者、

入居者、

近隣住民がいます。


短期利用者が繰り返し出入りするのであれば、

防犯、

火災、

避難、

管理規約、

保険、

保証、

税務など、

さまざまな問題につながる可能性があります。


何より、

他人の命、

安全、

財産に関わります。


自分の物件が、

契約どおりに使用されているのか。


オーナー自身も、

確認しておく必要があると思います。


■ 私は600万円の損害賠償を請求しています

私の場合は、

確認だけでは終わりませんでした。


現在、

L社及びその代表者を被告として、

民事訴訟を提起しています。


請求している損害賠償額は、

600万円。


ただし、

この600万円は、

旅館業法違反を理由として請求しているものではありません。


民事裁判の中心は、

あくまで、

「契約違反」です。


住居として貸した物件を、

貸主の承諾なく、

マンスリーマンションとして営業利用した。


その契約違反について、

民事裁判で責任を求めています。


一方、

旅館業法その他の法令上の問題については、

行政や警察に確認してもらう。


ここは、

完全に分けています。


■ では、正しい宿泊業はどうするのか?

宿泊業そのものが、

悪いわけではありません。


法律、

消防、

税務、

建物、

契約、

そして近隣住民。


必要な手続きを行い、

周囲に配慮しながら、

適正に運営すればいい。


例えば、

旅館業が認められる用途地域にある一戸建て。


上下2部屋を、

宿泊施設として使用する。


この施設では、

7日でも、

30日でも、

1か月以上でも、

利用期間にかかわらず、

旅館業許可を取得した宿泊施設として運営する。


必要な消防設備、

非常設備、

避難経路、

誘導灯などを整備する。


フロント・問い合わせ窓口を設け、

宿泊者の本人確認や、

緊急時の連絡体制も整える。


宿泊税、

消費税についても、

利用実態や期間等に応じて、

適正に申告・納付する。


分譲マンション等で行うのであれば、

管理規約で宿泊業が可能なのかを確認する。


賃貸物件なら、

賃貸借契約との整合性を確認し、

オーナーの承諾も得る。


必要な場合には、

郵便受けや専有部分の出入口にも、

宿泊施設であることを掲示する。


さらに、

近隣住民に説明し、

騒音、

ごみ、

防犯、

宿泊者のマナーなどにも配慮する。


宿泊業には、

他人の命、

安全、

財産が関係します。


だから、

手続きが厳格なのだと思います。






■ 現在は警察に相談中

以上が、

現在準備している、

24ページの告発状案の概要です。


現時点では、

警察に相談中です。


告発状案は、

いったん、

旅館業法違反の疑いを中心に作成しています。


今後、

警察との相談や、

新たに確認された事実によって、

内容を修正する可能性もあります。


最初に思ったのは、

「普通の分譲マンションで宿泊業なんかダメでしょ?」

「民泊と同じやん?」

という単純な疑問でした。


そこから、

契約書を見る。

管理規約を見る。

予約サイトを見る。

現地を見る。

関係会社に聞く。

行政に聞く。


一つずつ確認してきました。


その結果、

本件702号室について、

博多保健所からは、

旅館業許可「なし」

との回答を得ました。


ここから先には、

私には調べられないことがあります。


確認できた事実と資料を整理して、

警察に相談する。


必要であれば、

告発する。


現在は、

その段階です。


ただ、

ここまで調べてみても、

やっぱりズルいと思います。


そして、

自分の物件で勝手にやられた貸主としては、

やっぱりムカついてます(笑)


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