233【マンスリーマンション】警察にも相談してみた 行政の通達には「警察と連携」

竹下昌成

竹下昌成

テーマ:賃貸経営実務



233【マンスリーマンション】警察にも相談してみた 行政の通達には「警察と連携」


今回は、警察です。

私はこれまで、マンスリーマンションについて、

・保健所
・消防
・保証会社
・予約サイト
・建物管理会社
・保険会社
・金融庁
・宅建協会
・宅建行政
・宿泊税

など、いろいろなところに質問や情報提供をしてきました。

そして今回、

「これは警察にも相談しておいた方がいいのでは?」

と考えました。


ただし、私は法律の専門家ではありません。

55歳。

サラリーマンを23年やり、
大家業は25年。

CFP、宅建士などの資格は持っていますが、
刑法については、ど素人です。

ですから今回のコラムも、

「これは犯罪です」

という話ではありません。

私が普通の大家として、

「これ、おかしくない?」

と思ったことを整理して警察に相談した、という話です。


■ そもそも、なぜ警察?

今回の問題は、もともとは普通の賃貸借契約です。

私が購入した分譲マンションの一室には、
すでに法人の入居者がいました。

いわゆるオーナーチェンジです。

私が確認した賃貸借契約書類では、
住居として使用する契約になっています。

ところが家賃改定をきっかけに調べていくと、
実際にはマンスリーマンションとして使用されていたことがわかりました。

現在は、この使用方法などをめぐって訴訟になっています。






■ 契約書は「住居」 実際は「マンスリー」

ここからが、法律ど素人の私にはよくわかりません。

契約書では住居。

保証会社にも「住居」として審査を受けている。

ところが実際には、
マンスリーマンションとして第三者に提供している。

だったら、

「最初からマンスリー事業に使うつもりで、
住居として契約していた場合はどうなるの?」

という疑問が出てきます。

テレビドラマなら、

「これって詐欺じゃないの?」

となりそうな場面です。

もちろん、
本当に詐欺罪に該当するのかどうかは私にはわかりません。

契約書その他の書類の作成・使用方法によっては、

「私文書偽造などの問題はないの?」

とも思います。

これも私には判断できません。

だから警察に聞いてみることにしました。


■ 7日、14日、20日……

さらに気になったのが、利用期間です。

予約サイトを見ると、

7日。

14日。

20日。

など、1か月未満の短期利用が設定されています。

これを反復して行っていたとしたら、

「旅館業法との関係はどうなるの?」

という疑問も出てきます。

私が確認している範囲では、
当該一室について旅館業の許可書は確認できていません。

また、博多保健所の公開情報ではL社自体の名前が確認できていません。

80室運営してるのに・・・。


だから、

「旅館業法違反の可能性はないの?」

という疑問です。

これも私が決める話ではありません。

行政や警察など、
権限のあるところが確認する話です。







■ 管理規約は?

さらに、ここは普通の分譲マンションです。

管理規約や使用細則があります。

住居として生活することを前提とした規定があり、
転貸についても規定があります。

他の居住者に迷惑や危害を及ぼす行為についての規定もあります。

つまり、

「一室を借りたから、その中で何をしても自由」

という建物ではありません。

エントランスも廊下もエレベーターも避難経路も、
他の住民と共有しています。

不特定の第三者が短期間で入れ替わる利用が行われるのであれば、

管理規約との整合性はどうなのか。

消防・防犯上はどうなのか。

私は所有者として、当然気になります。


■ 僕の大家業を邪魔してない?

もう一つ。

私は普通に大家業をやっています。

ところが、

契約上の使用方法と実際の使用方法が違う。

その事実を知らされていない。

そして、それを確認しようとしても、
話し合いが進まない。

L社は、裁判所でしか話し合いに応じないというスタンスです。

だったら私は、

「僕の正常な大家業を侵害しているなら、
業務妨害のような問題にはならないの?」

とも思いました。

これも法律ど素人の疑問です。







■ 税金は?

さらに調べていくと、
疑問は増えていきます。

短期利用であれば、

消費税は?

宿泊税は?

適切に処理されているの?

という疑問です。

もちろん私は、
L社の税務申告を見ることはできません。

したがって、

「脱税している」

などと言うつもりはありません。

ただ、

契約上は住居。

実際には短期利用。

通常の賃貸住宅とは異なる料金体系。

となれば、

税務上どのように処理されているのか?

という疑問が出るのは自然だと思います。


■ そこで警察への質問を整理した

警察には、

「犯罪です。逮捕してください」

などと送ったわけではありません。

私には判断できないので、
疑問点を整理して確認をお願いしました。

大きくまとめると、

・住居として契約しながら、当初からマンスリー事業に使用していた場合、刑事法令上の問題はないか

・契約書や保証会社への申告内容と実際の利用方法が異なる場合、詐欺その他の問題が生じる可能性はないか

・契約書その他の書類について、刑事法令上問題となる作成・使用がないか

・7日、14日、20日などの短期利用を反復している場合、旅館業法との関係はどうなるのか

・所有者の承諾なくこのような利用を継続した場合、業務妨害その他の問題となる可能性はないか

・その他、警察として確認すべき法令上の問題がないか

といった内容です。

私は刑事事件の構成要件を判断できません。

だから、

「該当する」

ではなく、

「該当する可能性があるのか確認してください」

という質問です。







■ 質問状だけではわからないので、資料も送った

今回、警察には質問状だけを送ったわけではありません。

できるだけ事実関係を確認してもらえるように、
関係資料もまとめて送付しました。

例えば、

・現在係属中の訴訟の訴状
・賃貸借契約書類
・不動産登記簿
・私の資格証明
・L社ホームページのマンスリー事業掲載ページ
・予約サイトAに掲載されている募集状況
・これまでの当事者間のやり取り
・その他の関係資料

などです。

不動産登記簿や資格証明も付けたのは、

「誰かわからない人がネットを見て通報している」

のではなく、

実際の区分所有者本人が、
自分の所有物件について相談していることを明確にするためです。

そして資料を見れば、
もう一つわかります。

これは本件一室だけの問題ではありません。

L社のホームページを見れば、
同社がマンスリーマンション事業を行っていることがわかります。

さらに予約サイトAを見ると、
多数のマンスリー物件が掲載されています。

つまり、

本件一室だけの問題でもなければ、

L社だけの問題とも限らない。

私は、そこも含めて見てもらいたいと思いました。


■ 実は、以前にも別件で警察に相談しています

私は以前、
別の所有物件でも警察に相談したことがあります。

退去した入居者の部屋が、
ペットの糞尿まみれ。

大量の残置物。

室内もかなり傷んでいました。

私は、

「これは器物損壊では?」

「大家業に対する業務妨害では?」

と考えて警察に相談しました。

結果は、ほぼ門前払いでした。

基本的には民事の問題、
という扱いだったと記憶しています。

ですから今回も、

「まあ、民事不介入と言われるだろうな」

くらいに思っていました。


■ それでも今回は相談した

では、なぜ今回も相談したのか。

行政資料などを調べていると、
無許可営業などへの対応について、

行政だけで完結するのではなく、

「警察と連携」

という趣旨の記載が出てくるからです。

だったら、

警察にも情報を渡しておいた方がいい。

私はそう考えました。

民事訴訟は民事訴訟として進めればいい。

でも、

事件や事故が起きてからでは遅い。

裁判が終わるまで待っている必要もありません。







■ 資料を送ったら、警察から電話がかかってきた

そこで資料一式を博多警察署に送付しました。

正直、

「今回も民事ですね」

で終わると思っていました。

ところが、警察から電話がかかってきました。

契約した場所。

契約時期。

物件の所在地。

契約関係。

現在の訴訟の状況。

などについて確認されました。

そして、

「これから法令上の該当性も含めて検討し、
担当係から連絡する」

という趣旨の説明がありました。

さらに、

仮に刑事上の問題として手続きを進められることになった場合、
その意思があるのかという趣旨の確認もありました。

私は即答しました。

「します」

当然ですね。


■ 本当は、警察に相談したいわけではない

ここは誤解されたくないところです。

私は、
何でも裁判や警察沙汰にしたいわけではありません。

L社がきちんと話を聞いて、
普通に協議できるのであれば、
それで良かった。

しかし、L社は、
家賃改定交渉当初から一貫して、裁判所でしか話し合いに応じないというスタンスです。

だから私は訴訟をしています。

そして民事訴訟とは別に、

「刑事法令上、本当に何も問題がないのか?」

については、
警察に確認してもらうということです。



■ 約11年間気づかれなかった 僕は1年でたまたま気づいた

今回の利用は、
かなり長期間続いていたようです。

私はオーナーチェンジで物件を購入し、
所有して約1年で、たまたま気づきました。

きっかけは家賃改定です。

そこから契約内容や利用実態を確認していったところ、
マンスリー利用が発覚しました。

L社も契約当初からマンスリー利用していることは認めています。

逆に言えば、

私が家賃改定をしなければ。

あるいは、L社が素直に家賃改定に応じていれば。

今でも気づかなかった可能性が高いでしょう。

大家は、

入居者が毎月きちんと家賃を払っていれば、

現地の状況を毎月確認したりしません。

まして、今回のL社は不動産会社です。

契約に反した利用をしてるとは全く思いませんでした。

だから長期間わからない。

この構造自体が、
今回私が強く問題意識を持った理由の一つです。


■ まとめ 

私は法律の専門家ではありません。

55歳。

サラリーマンを23年。

大家業を25年。



刑法の構成要件を判断する能力、立場にはありません。

詐欺なのか。

私文書偽造などの問題があるのか。

業務妨害なのか。

旅館業法上の問題があるのか。

宅建業法上の問題があるのか。

税務上の問題があるのか。

私には判断できません。

だから、それぞれを判断できるところに聞いています。

ただ、

法律はど素人でも、

これまでの社会人経験や大家としての経験、
そして私なりの社会的な常識に照らして考えると、

今回の件は、

「相当におかしい」

と思っています。

契約書には住居と書いてある。

保証会社にも住居として申告されている。

普通の分譲マンションである。

管理規約がある。

貸主はマンスリー利用を承諾していない。

それでも第三者に短期間で貸し出されている。

そして問題を指摘しても、
当事者間の話し合いにも応じない。

だったら、

裁判所にも聞く。

行政にも聞く。

保証会社にも聞く。

保険会社にも聞く。

そして警察にも聞く。

私は、それでいいと思っています。

最終的に、

「刑事上は何も問題ありません」

という回答なら、
それも一つの答えです。

逆に、

何らかの問題があるのであれば、
適切に対応してもらえばいい。

私は大家の責任として、

自分の所有する建物で何が行われているのかを確認したい。

他人の命と財産を傷つけたくない。

事件や事故が起きてから、

「知りませんでした」

とは言いたくありません。

そして、平たく言えば、ムカついてます(笑)




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