245【マンスリーマンション】2分でわかる、マンスリー問題 ここまでの概要

竹下昌成

竹下昌成

テーマ:賃貸経営実務



245【マンスリーマンション】2分でわかる、マンスリー問題 ここまでの概要

概要版としてここまでをまとめています。
関係各所に経緯を共有するために郵送しやすいようまとめました。
固有名詞を隠した本文を掲載します。


■ 1 何が問題なのか?

本件は、分譲マンションの一室を通常の住居として法人に賃貸したところ、所有者が知らないままマンスリー利用されていた事例です。


物件:
本物件 702号室
福岡市博多区

所有者:
当社

入居者:
L社

契約上の用途:
住居
(住居用の賃貸借契約書:L社自身が媒介、保証会社確認済)

利用実態:
マンスリー利用
(「7日以上30日未満」を含む)

所有者の承諾:
なし

旅館業許可:
なし
(博多区保健所確認済)

民事訴訟:
福岡地方裁判所に係属中
(令和8年(ワ)第〇〇〇〇号)


所有者は通常の住居として貸していました。

保証会社も住居利用を前提として保証しています。


ところが、実際には2015年11月の賃貸借契約開始当初から、短期利用者が反復して出入りするマンスリー利用が行われていました。
(入居者:L社確認済)


問題は、所有者と入居者との契約だけではありません。

また、管理規約では転貸や短期利用を認めていません。


さらに、下記の問題もあります。


・火災・避難

短期利用者が建物の避難経路や非常設備を十分に把握しているのか。


・犯罪・防犯

所有者や管理側が、誰が滞在しているのか把握できない。


・共連れ・オートロック

鍵や暗証番号が短期利用者に渡り、マンション全体の防犯に影響する。


・騒音・生活環境

利用者の頻繁な入れ替わりは、他の居住者の生活にも関係する。


・消防・非常設備

実際の利用形態に応じた消防設備や避難安全の確認が必要となる。


・他の事業者との公平性

ホテル、旅館、民泊等は、必要な許認可、消防・防災、税務等に対応して営業している。


本レポートの目的は、マンスリーマンション事業を否定することではありません。


実際の利用形態を確認し、必要な権限・許認可・安全対策を整え、適法かつ安全な状態に「正常化」することです。


利用者・生活者・オーナーの命と財産を守る。


そのため、本件について警察、保健所、消防、自治体、保証会社、予約サイト等に確認しました。



■ 2 関係機関・事業者への確認と回答結果


【博多警察署(警察)】

・「旅館業法に該当」

・「捜査する」

・令和8年10月1日、上記回答を踏まえて告発状を発送


【博多保健所(旅館業担当)】

・「7日以上30日未満」の利用が旅館業に該当する可能性は「ある」

・本件702号室について、旅館業の許可は「なし」


【京都市(旅館業担当)】

・ウィークリーマンション等と称する施設を調査

・違法「民泊」267施設を確認

・267施設を指導

・267施設すべてについて営業中止・撤退を確認


【博多消防署(消防)】

・短期利用について、利用実態に応じた消防設備・避難安全等の確認が必要となる場合がある


【福岡市(宿泊税担当)】

・契約の名称・形式だけでは判断しない

・個別の利用実態により判断する


【保証会社】

・本件の保証は住居利用を前提


【予約サイトB】

・所有者・賃貸人の転貸承諾は「確認していない」

・利用・運営権限は「確認していない」


【予約サイトC】

・利用・運営権限は「原則として確認している」

・所有者・賃貸人の転貸承諾は「確認していない」


【予約サイトA:本件掲載サイト】

・弁護士に確認したうえでメール回答

・個別質問への回答は差し控える旨を回答



■ 3 京都市では267施設を調査

京都市では、令和6年に市民からの通報を契機として、ウィークリーマンション等と称して営業する施設について調査を実施しています。


・市民からの通報

・ウィークリーマンション等を調査

・違法「民泊」267施設を確認

・行政指導

・267施設すべて営業中止・撤退


京都市では、名称が「ウィークリー」「マンスリー」「賃貸借」等であることだけで判断するのではなく、実際の営業形態を確認しています。


厚生労働省も、ウィークリーマンション等について、無許可営業が疑われる情報を得た場合には営業実態を調査し、無許可営業と判断した場合には営業中止を指導し、悪質な事例については警察と連携するよう自治体に通知しています。



■ 4 京都市だけの問題なのか?

本件は福岡市の分譲マンションです。


確認できた事実は、


・「7日以上30日未満」を含む短期利用商品がある

・博多保健所は、旅館業に該当する可能性を「ある」と回答

・本件702号室には旅館業許可がない

・博多警察署は「旅館業法に該当」「捜査する」と回答


では、他の地域ではどうでしょうか。


例えば、

「7日以上」

「1週間以上」

「30日未満」

などとして募集されている物件について、


実際の利用期間、

旅館業許可の有無、

所有者・賃貸人の承諾、

管理規約との整合、

消防・非常設備、

実際の営業形態


を確認することで、同様の利用実態が判明する可能性があります。


また、大手コンサルは、マンスリーマンション事業の成功事例として「福岡のS社」を紹介しています。


一方、同社について確認したところ、予約サイトには418件が掲載され、「7日以上30日未満」の短期利用商品も確認できました。


こうした利用実態と、旅館業法上の取扱いとの整合性はどうなっているのでしょうか。



■ 5 なぜ「正常化」が必要なのか

マンスリーマンション事業そのものが問題なのではありません。


必要なのは、実際の利用形態に応じて必要な確認を行うことです。


「所有者・賃貸人の承諾はあるか」

「利用・運営する権限はあるか」

「必要な許認可は取得されているか」

「管理規約に適合しているか」

「必要な消防・防災対策が講じられているか」

「税務上必要な対応が行われているか」


これらを確認し、必要な対応を行う。


それによって、


利用者の命と財産を守る。

マンションで生活する人の命と財産を守る。

オーナーの命と財産を守る。

適法に営業している事業者との公平性を確保する。


ことにつながります。


これが、本レポートでいう「正常化」です。


本資料を、貴管轄区域における実態把握の参考資料としてご覧いただければ幸いです。


必要に応じて、契約書、管理規約、募集資料、質問状、回答書その他の詳細資料を提出します。



■ 参考資料・確認先

京都市
「ウィークリーマンション等と称する違法『民泊』施設に対する指導結果について」

https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000330379.html


厚生労働省
「マンション等の施設を使用する形態の旅館業について(平成12年12月13日)」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3155&dataType=1&pageNo=1


厚生労働省
「マンション等の施設を使用する形態の旅館業について(平成17年2月9日)」

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2684&dataType=1&pageNo=1


観光庁
「住宅宿泊仲介業者の業務(違法物件の掲載の防止等)」

https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/mediation/affairs.html

L社HP記載

予約サイトA HP記載

244【マンスリーマンション】京都市から回答 令和6年、1か月未満の違法「民泊」267施設すべて営業中止・撤退 では福岡は?

https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/column/5237564/

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

竹下昌成プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

竹下昌成プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

不動産投資の経験豊富なお金のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫のお金・保険
  4. 兵庫の不動産投資
  5. 竹下昌成
  6. コラム一覧
  7. 245【マンスリーマンション】2分でわかる、マンスリー問題 ここまでの概要

竹下昌成プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼