148【不動産投資】物件売りませんか?悪徳セールスにご用心 8分

224# 大手コンサル「マンスリーは借りて貸すだけ、手続き不要」ってどういう意味!?
私が所有するマンションの一室が、賃借人によってマンスリーマンションとして使われていました。
契約上は住居です。
ところが実際には、インターネット上でマンスリーマンションとして募集されていました。
現在、この件については訴訟中です。
その関係でマンスリーマンションについて調べる機会が増え、今回、その会社が利用している予約サイトを改めて眺めてみました。
すると、
「同じ福岡で、やたら掲載の多い会社があるな」
と気づきました。
ここではS社としておきます。
予約サイト上で確認すると、353件。
多い(笑)。
「この会社はどう運用してるんだろう?」
そう思ってS社自身のホームページを見ると、
マンスリー一覧418件。
さらに多い(笑)。
しかも、S社の物件には、
「7日以上30日未満」
というショートプランが設定されています。
1週間から借りられます。
ここで、
「これ、本当に普通の賃貸という整理でいいの?」
と気になり出しました。
S社だけなら放置するのですが、関連して大手コンサルのHPで「成功事例」として
S社が紹介されているのを見つけました。
適正な成功事例なんだろうか!?
不動産会社よりも、さらに上流でボタンの掛け違えがあっては困ります。
■厚生労働省は、ウィークリーマンションのように1日から1週間程度でマンションの空室に客を宿泊させる場合、賃貸借契約であっても、実態によっては貸室業ではなく旅館業と判断され、許可が必要になると明示しています。さらに、旅館業と不動産賃貸業を区分する一つの目安として「1か月」を示しています。
もちろん、
「7日なら即アウト」
という単純な話ではありません。
契約の名前ではなく、営業の実態で判断されます。
でも、418件あります。
仮に旅館業の許可が必要な営業なのであれば、
約400室に対応する許認可があるはずです。
公表されている許認可情報を確認しましたが、少なくとも私は確認できませんでした。
だからといって、
「無許可だ」
とは言えません。
公表資料で確認できなかっただけです。
だったら行政が確認すれば分かります。
そこで、行政が確認できる資料を作ることにしました。
ただし、マンション名が分かりません。
S社は、実際のマンション名とは違う独自の商品名で掲載しているからです。ややこしい。
そこでAIの出番です。
住所を基に売買情報、賃貸情報、マンション情報、地図などを照合して、
1時間ほどかけて、418件を実在するマンション名に変換して一覧にしました。
さらに、同じマンションに何室入っているのか。
分かるものについてはマンション全体の総戸数まで調べました。
■大手コンサルは、マンスリービジネスそのものを新規事業としてコンサルティングしています。
しかも、公式ホームページの表現が非常に分かりやすい。
「物件を『借りて貸すだけ』」
です。
別の公開資料では、物件を所有せず借り上げて始められるため初期投資が少なく、
「万一のときは契約満了で撤退もしやすい、リスクの低い事業」
と説明しています。
さらに、
「資格不要・低リスクで参入」
とも書かれています。
物件の仕入れ、商品化、集客、法人営業、管理システム、マニュアルなど、事業の立ち上げそのものを支援しています。
そして、その成功事例としてS社も紹介されています。
大手コンサル自身は、マンスリービジネスについて、
「30日以上の滞在を希望する方に短期貸しする」
モデルと説明しています。
別の記事でも、マンスリーマンションは、
「一般的に1ヶ月以上」
から借りられるものと説明しています。
なるほど。
1か月以上。
厚生労働省が示す「1か月」という目安とも整合します。
ところが、その成功事例として紹介されているS社には、
「7日以上30日未満」
の商品がある。
しかも約400室。
あれ?(笑)
■では、この約400室は旅館業法上どういう整理なのでしょうか。
私が知りたいのは、そこです。
そして、不動産は期間だけ合わせれば終わりではありません。
賃貸借契約はどうなっているのか。
オーナーは転貸や実際の用途を承諾しているのか。
マンションの管理規約・使用細則では認められているのか。
消防はどうなのか。
保証会社や保険は、実際の利用方法を前提としているのか。
S社について、これらに問題があると言っているわけではありません。
「借りて貸すだけ」
ではないことだけは分かります。
今回、S社が掲載しているのは約400室です。
ところが、その部屋が入っているマンションの総戸数を調べると、確認できたものだけでも約2,300戸。
未確定分まで含めて推計すると、約15,000戸。
もちろん、15,000戸がマンスリーとして使われているという意味ではありません。
約400室が入っているマンション全体の規模です。
そこで暮らしている人がいます。
マンションを所有しているオーナーがいます。
エントランス、廊下、エレベーター、ゴミ置場なども共用です。
事故や事件、火災、近隣トラブルなどが起きれば、その部屋だけの問題で済むとは限りません。
ここで、先ほどの大手コンサルの説明をもう一度見ると、
「万一のときは契約満了で撤退もしやすい、リスクの低い事業」
とあります。
確かに、借りている事業者は撤退できます。
でも、
オーナーはマンションを所有したままです。
そこで暮らしている他の入居者もいます。
事業者にとっての「低リスク」と、マンション全体にとっての「低リスク」は、必ずしも同じではありません。
大手コンサルが説明するように、物件を所有しなければ、契約満了で撤退しやすい。
事業者側から見れば、それが「低リスク」なのでしょう。
でも、建物側に残った問題まで、賃貸借契約と一緒に消えるわけではありません。
その意味でも、
「物件を『借りて貸すだけ』」
という言葉には、私はかなり違和感があります。
そんなわけあるかっ!(笑)
■さらに気になるのが、
「手続き不要」
という表現です。
……。
何の手続きが不要なのでしょう(笑)。
旅館業?
転貸承諾?
管理規約の確認?
消防?
保証会社?
保険?
もちろん、大手コンサルがこれら全部を不要と言っている、と私が勝手に解釈するつもりはありません。
だからこそ、
「何の手続きが不要なの?」
となります。
今回、私が行政へ情報提供することにした理由は、実はS社の約400室ではありません。
S社だけなら、情報提供するつもりはありませんでした。
私の物件については裁判で処理しています。
S社が他の物件でどんな契約をしているのか。
どんな許認可を取っているのか。
そこまで私が追いかける話でもありません。
でも、
大手コンサルが出てきたことで、話が変わりました。
S社だけなら、一社の問題です。
ところが、その上流にマンスリー事業そのものを作り、「成功事例」として他社へ展開する大手コンサル会社がいる。
そして、大手コンサル自身は「30日以上」「一般的に1か月以上」と説明しているのに、その成功事例の会社では「7日以上30日未満」の商品が約400室確認できる。
もし上流の認識や事業設計にズレがあれば、
結果として、必要な許可を得ないまま旅館業に当たり得る営業が生まれる可能性があります。
しかも、私がより気になるのはこちらです。
事業者自身が、それをよく分からないまま運営してしまう可能性です。
大手コンサル会社から、
「借りて貸すだけ」
「資格不要」
「低リスク」
と説明された事業モデルを導入する。
物件を増やす。
売上が伸びる。
成功事例として紹介される。
そこまで行けば、現場で働く人が、
「そもそも、これって旅館業法上どうなっているんだろう?」
と疑う方が難しいかもしれません。
悪意のある「ヤミ旅館業者」が暗躍する、という話ではありません。
むしろ逆です。
事業者自身が問題を認識しないまま、普通のマンスリー事業だと思って運営する。
もしそんな構造になっているのなら、こちらの方が怖い。
コンサルティングは、一つの成功モデルを他社へ展開する仕事だからです。
前提が正しければ問題ありません。
でも、
前提が一つ違っていたら?
事業者自身も気づかないまま、その前提まで広がっていきます。
しかも、
「成功事例」として・・・。
だから今回は、厚生労働省と博多保健所に情報提供することにしました。
厚生労働省自身、無許可営業の疑いに関する情報に接した行政には、営業実態を調査して対応するよう通知しています。
私が、
「違法です」
と決める必要はありません。
行政には許認可の情報があります。
事業者には営業実態があります。
約400室について必要な許認可があるなら、それで終了です。
何の問題もありません。
でも、もし無かったら。
S社だけを確認して終わりでいいのでしょうか。
次に確認すべきは、その上流ではないでしょうか。
最初は、私が所有するマンションのたった1室でした。
予約サイトを改めて眺めたら353件。
S社自身を調べたら418件。
その約400室が入るマンションの総戸数は、推定約15,000戸。
さらに上流に大手コンサルがいました(笑)。
「みんなやっているから大丈夫」
「コンサルがやっているから大丈夫」
ではありません。
「借りて貸すだけ」
「手続き不要」
不動産って、事業って、
そんなに簡単なものではないと思います(笑)。
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