コラム
お墓はなぜ必要なのか?
2009年12月4日
最近ではお墓は必要ないという考え方のもと、
散骨や樹木葬など、お骨を自然に帰し、
お墓を建てない人も出てきています。
しかし、実際に散骨をした人の中には
後でお骨を残しておけばよかった、
と後悔するケースも少なくないといわれます。
お墓には亡き人の生きた証を残すという側面と、
残された者が故人を偲ぶ「供養」という二つの側面があります。
散骨でお骨を自然に帰してしまうと、
この二つを実現することができません。
後になって後悔される人の多くがこの二つによること、
とりわけ、故人を偲ぶことが、形を伴って出来ないことが
心の痛みになっているといわれています。
つまり、「手を合わせる」という行為が
お骨が残っていないためにできないからです。
自分の家族の死を悼まない人はいません。
肉親の死を悼み、供養したいと思うのは
人間としての自然な感情でしょう。
そのときに手を合わせる存在となるのがお墓なのです。
また、自分の生きた証を残したいなどの理由から
生前に自分のお墓を建てる(寿陵・じゅりょう)人や、
死んでから子供たちに迷惑をかけたくないなどの理由から、
同様に生前にお墓を建てる人々も増えています。
さらに、自分自身の想いをカタチに現した
「デザイン墓石」を希望される人もいます。
死んだ後の自分の居場所を確保したいと考えるのもまた、
自然な情というものでしょう。
いずれにしても、お骨は残された遺族の方、
また子孫にとって必要なものです。
ご先祖を偲ぼうにもお墓がなければかないません。
自分一代のことだけでなく、
その先々の子孫や残された人々のことを考えれば、
やはりお墓は必要不可欠といえるのではないでしょうか。
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