コラム
お骨を川に流すインドの葬送
2009年10月16日
民族が違うと、お葬式、お墓のつくり方、
埋葬の仕方、その意味などが大きく違ってきます。
なぜなら、それぞれの民族は
「死」や「死者」のとらえ方、
意味づけが違うからです。
つまり民族宗教が違うからです。
インドのヒンズー教では、
幼児と出家者は、土葬ですが、
それ以外はほとんど火葬にします。
死者の亡骸(なきがら)を火葬するとき
プレータとよばれる霊魂は
頭蓋骨から出てあの世へ旅立ち、
その間の10日間に新しい身体を得るために生まれかわります。
そして、13日目のサピンダナ儀式の後、
めでたくあの世に到達して祖霊たちの仲間に入り
安住する、と信じられています。
あとに残ったお骨は霊魂のぬけがらですが、
“聖なる河ガンジス”に流します。
特に偉大な聖人や国王などでない限りは、
お墓をつくることはありません。
同じインドでも、イスラム教では
「火葬は神を冒涜する」という考えがあるので土葬にします。
しかし霊魂は埋葬した翌日から肉体から抜け出る、
と信じられていますから、土葬は簡単なものですが、
顔を聖地メッカに向け右側臥位(うそくがい)にします。
もちろんお墓参りの習慣もありません。
※日本人のお墓(小畠宏允著・日本石材産業協会発行)より
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