管理職の基礎的思考（5）上の要求はそもそも矛盾だらけ

2023年3月6日

テーマ：社員研修

コラムカテゴリ：ビジネス

1）何とかしてつじつまを合わせるのが管理者の仕事
　トップから「売上は前年比120％、経費は20％削減せよ」というような難題が提示されたら「無理に決まっている」「現場のことを知らないから言えるんだ」とそんな不平不満でいっぱいになっていませんか？
確かに売上アップと経費削減は、一見両立が難しいと思われる事柄です。しかしビジネスの現場では、こうした矛盾をはらんだ要望が出されることは珍しくありません。むしろ矛盾だらけといってもよいほどです。
　実際、このようにそう反する2つの要件を同時に満たすことによって利益が生まれ、ビジネスが成り立っているといっても過言ではありません。つまり、こうした矛盾に向き合って、何とかつじつまを合わせていくのが管理者の仕事なのです。「経費を削減しながら、売上を増加させる方法があるはずだ。みんなで一緒に考えよう」と、仲間たちに声をかけ、チームで矛盾の解決に向かって挑んでいくのです。

2）自ら矛盾を作り出して「さらに上」を目指す
　この目の前の矛盾に不満や不安を感じているうちは、管理者の仕事はただの苦行でしかありません。これを当たり前のことと思って、どうすれば解決できるかに注力していくことから本当の管理者の仕事が始まるのです。ですから、プロの管理者は矛盾を当然のこととして受け入れます。さらにプロのマネージャーになると、上や外からの要望に対応するだけでなく、もう一歩進んで自ら矛盾を作り出し、チームで解決していきます。与えられた課題をクリアするだけでは飽き足らず、より大きな課題を見つけてチャレンジし、会社に大きな利益をもたらしていくのです。
　このように、より困難な状況に身を投じて、新しい成果を作り出していくことが、管理者の仕事の醍醐味と言えます。これができる管理者こそが「経営」というバスに乗って会社の未来を作り上げていく人です。つまり経営メンバーとして歓迎される人財になる、ということです。
　矛盾を取り組むべき課題と考え、進んで解決していく姿勢が、管理者には求められていることを忘れないでください。

この記事を書いたプロ

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司（株式会社飛泉）

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