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コラム

雇入れ時の教育

2024年3月22日

テーマ:新入社員

コラムカテゴリ:ビジネス

 雇入れ時の教育は、労働安全衛生法第59条第1項に基づき、事業者に実施が義務づけられている、新規採用した者に行うべき所定の安全衛生教育です。
 この教育は、労働者の安全意識を高め、労働災害の防止に役立つ重要な教育です。業種や雇用区分の別を問わず、すべての労働者が対象となります。派遣労働者については、派遣元で雇入れ時教育を実施する義務があります。雇入れ時教育の実施に際し、記録の作成・保存に関わる法的な義務はありませんが、会社のリスク管理の一環として、実施記録は残しておくようにしましょう。
 雇入れ時教育で実施すべき教育内容は、労働安全衛生法に定められている以下の項目です。

  1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
  2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
  3. 作業手順に関すること
  4. 作業開始時の点検に関すること
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
  6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること
  8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項


 ただし、労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種(以下「3号業種」)の事業場では、1~4の事項についての教育を省略し、5~8の事項に関わる教育を行えば良いことになっています。「3号業種」とは、労働安全衛生法施行令第2条に定める1号、2号以外の「その他の業種」を指します。

  • 1号:林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業
  • 2号:製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業
  • 3号:その他の業種

雇入れ時の教育の拡充

 上記のただし書きにあるその他の業種の教育の省略が4月1日から変わります。
 雇入れ時等の教育のうち、特定の業種では一部教育項目の省略が認められていましたが、この省略規定が廃止されます。危険性・有害性のある化学物質を製造し、または取り扱う全ての事業場で、化学物質の安全衛生に関する必要な教育を行わなければなりません。 また、作業内容が変更された場合も危険有害業務に関する教育が必要です。
 新入社員に対する雇入れ時教育は当然のごとく行われていると思いますが、ここに自社で使用している化学物質に関する教育を行うことが求められます。つまり、労働者がラベル表示に記載されている危険有害性情報や注意事項を理解したうえで働けるように教育することが大事になります。
 化学物質管理者は自らが教育を行う義務はありませんが、教育の計画と管理は行わなければなりません。化学物質管理者としての基本的な責務を理解させ、必要な力量を与えることも事業者としての役割になります。

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この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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