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コラム
果物・野菜・豆類摂取で長生き?
2017年9月29日
果物・野菜・豆類摂取で長生き?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘果物・野菜・豆類摂取で長生き?’という報告です。
果物、野菜、豆類の摂取と心血管疾患および死亡の間の関連性は、欧州、米国、日本、中国では広く調査されてきたが、中東、南米、アフリカ、南アジアからの利用できるデータはほとんどないか皆無である。
世界7地域(北米/欧州、南米、中東、南アジア、中国、東南アジア、アフリカ)の低所得国、中所得国、高所得国18カ国の地域社会613カ所から、心血管疾患のない35~70歳の135335人における前向き研究を実施した。ベースライン時に国別の食物頻度アンケートを用いて食事内容を記録した。標準化されたアンケートを用いて、人口統計学的要因、社会経済的地位(学歴、所得、雇用)、生活習慣(喫煙、身体活動、アルコール摂取量)、既往歴および医薬品の使用、心血管疾患の家族歴に関する情報を収集した。主な臨床転帰は、主要な心血管疾患、致命的および非致命的な心筋梗塞、致命的および非致命的な脳卒中、心血管死亡率、非心血管死亡率、全死亡率であった。果物、野菜、豆類の摂取と心血管疾患イベントおよび死亡率のリスクの間の関連性を評価した。
その結果、全体的で果物、野菜、豆類の総合平均摂取量は1日あたり3.91回分であった。果物、野菜、豆類の総合摂取量がより高いことが、年齢、性別、実施医療機関で調整後において、主要な心血管疾患、心筋梗塞、心血管死亡率、非心血管死亡率、全死亡率と逆相関していた。主要な心血管疾患(危険率0.90倍)、心筋梗塞(0.99倍)、脳卒中(0.92倍)、心血管死亡率(0.73倍)、非心血管死亡率(0.84倍)、全死亡率(0.81倍)の推定値は調整後モデルでは大幅に減衰した。全死亡率の危険率は、参照群と比べて1日あたり3~4回分の場合に最も低く(0.78倍)、それ以上の摂取に関して危険率の明らかなさらなる減少は見られなかった。別々に考察した場合、果物の摂取は心血管死亡率、非心血管死亡率、全死亡率のリスクが低いことと逆の相関性があり、豆類の摂取は非心血管死亡率および全死亡率と逆の相関性があった。野菜に関しては、生野菜の摂取は全死亡率のリスクが低いことと強く関連しており、調理済み野菜は死亡率に対して多少の利益を示した。
果物、野菜、豆類の摂取量が高いことは、非心血管死亡率および全死亡率のリスクが低いことと関連していた。利益は、非心血管死亡率および全死亡率の両方に関して1日3~4回分(375–500 g/日に相当)の場合に最大となるようである。
以前からこれらの食物摂取で心血管疾患の発症率が低いことは言われていましたが、今回も同様のことが示された様です。最近は脂肪分の摂取よりも炭水化物の摂取の方が問題とされる様な報告も出て来ており、食事摂取に関する常識が少しずつ変わって来ている様にも感じますが、現代病と考えられている糖尿病も平安の昔から存在していたことを考えると結局は肥満にならない様にカロリー控えめの食事を摂ることは最低気をつけなければならないのは昔も今も変わらない様です!
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