コラム
寒さなどの気温変化・気圧・天気の変化で体調が悪くなるのはなぜ?【山梨 漢方 さわたや】
2020年1月7日 公開 / 2021年3月2日更新
なぜ天気や気圧変化で体調が悪くなるのか?
気圧変化や気温変化で体調を崩すことを一般的にはよく「気象病・お天気病」などと呼びますが、大切なのは気候変化で体調変化がおこる仕組みです。
一般的には激しい気候変化でカラダが冷えてしまうことと、自律神経のバランスが乱れることが体調不良の原因と考えられています。
気温変化と体調
まず気温差ですが、激しい気温差は単純に暑い、寒さでカラダが冷えるだけでなく、急激な気温差により毛穴を広げて血管を拡張して発汗を促したり、毛穴を閉じて血管を収縮させて体温を維持したりする(保温)という自律神経のバランスを乱してしまいます。
気圧変化と体調
つぎに気圧変化ですが、実は我々のカラダは気圧の変化で自律神経が微妙に変化するように作られています。
天気が悪い日の低気圧の時は副交感神経が優位になります。これは雨が降っている時は活発に活動するのではなく、カラダは代謝を抑えて、ゆったりと時がすぎるのを待つという反応が動物的本能として備わっています。
そして晴れの日の高気圧の時は活発に活動を日中に行う『エサ取り行動の体調』交感神経が優位になるのです。
気温差・気圧変化は体のいたるところに影響が出る
このような変化が起こるので、高気圧の時はやる気モードになりやすい一方で、カラダに力が入るので、身体活動は活発になりますが、血管は力が入る分、流れが悪くなりやすいです。
逆に雨が降ったりする低気圧の時はカラダを癒すためのアセチルコリンがしっかりでるので、どちらかと言えば、カラダはダルさを感じたりして、自然とやる気があまりでなくなり、のんびりしたくなったり、ゆっくり休みたくなります。当然血管はゆっくりしているので、拡張して流れは良くなりやすくなると考えます。
気温差や気圧変化は自律神経の乱れを起こし、血流はもちろん、ホルモンバランス、免疫、体のいたるところに影響が出るので、気候変化により様々な不調が起きても不思議じゃないのです。
気温差・天候変化に負けないための養生法
気温変化や天候変化で体調を崩す方がいる一方でなんともない方も大勢いることも確かです。
その時その時の体調、元気な時は当然気象状況変化にも対応できますが、カラダが弱っている時は対応できませんので、まずは毎日の疲れをためないことが重要です。
さらにもともと気象変化で体調を崩しやすい方はこのような対策を日頃からとっておくと良いでしょう。
1. カラダを冷やさない服装(三首を冷やさない)
気温や気圧変化は血流を悪くします。血行不良は万病の元、関節痛、頭痛、はもちろんあらゆる病気の原因となります。
その対策として「三首」と言われる「首・手首・足首」を冷やさないようにしましょう。首と付くところは血流の関所。ストール、カーディガン、長めの靴下等で三首を冷やさないようにしましょう。
2. 入浴で自律神経を整える
おすすめは38℃~40℃の微温浴にゆっくりと。半身浴もおすすめです。気温や気圧変化による体調不良の原因は自律神経の乱れと体の冷えということをお伝えしました。入浴はこの2つを解消できるとってもおすすめの養生法です。
この時注意していただきたいのがお風呂の温度です。41℃以上の高温浴は血管を収縮させてカラダを緊張させる交感神経を優位にします。
朝など気合を入れたい時は良いのですが、リラックスして体のバランスを取るには38℃~40℃の微温浴と言われる温度がおすすめです。
副交感神経を優位にしてくれて体の疲れを取り、バランスをとってくれます。
※ 入浴は健康状態によっては注意が必要です。
3.香りの良いお茶・食べ物でリラックスを
自律神経が乱れる気温や気圧変化で大切なのはカラダをリラックスさせること。食養生ではカラダをリラックスさせる『好きな香り』『良い香り』のものを積極的に取り入れることです。
ハーブティーやハーブを使った料理、紫蘇、山椒などの香りの良いものを薬味などとして上手に使うと良いでしょう。
香りの良い柑橘類(ミカン類・かぼす・ゆずなど)も気持ちを爽やかにするのでオススメです。
4.深呼吸をする
呼吸は唯一と言ってよいほど、自分の力で自律神経を整えることができる養生です。
☆おすすめ呼吸法
まずフッと口から息を軽く履いたあと
1)4秒程度鼻からゆっくり息を吸って
2)8秒ほどかけてゆっくり口から肩の力を抜くように息を吐く
(健康状態により無理がないようにご注意ください)
息を吐くことで副交感神経が優位になりカラダをリラックスさせてくれます。
今回紹介した4つの養生、実は漢方的には『気の巡り』を整える養生の代表です。漢方では気の巡りが悪くなると様々な不調が起こりますが、気の巡りは心とカラダに負荷が大きいときや、カラダが弱っている時に乱れると考えます。
気圧や気温変化などは動物にとってシンプルかつもっとも原始的なストレス(カラダへの負荷)と言えるでしょう。
そのストレスと上手く付き合って行けるような体作りをこのような養生で日頃からしておきましょうね。
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