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突然、いくつかのキーが入力できなくなったのはなぜ?

先日、ノートパソコンの"A"のキー入力ができなくなった・・・というサポート依頼がありましたので早速お伺いして診断してみました。
確かにAのキーが入力できませんが、左のShiftキー、コントロールキー、Xキー、Fnキーも機能していません。このように複数のキーがまとまって動作しない場合は、フィルム配線の断線や接触不良など、キーボード内部の回路に問題が発生している可能性があります。
ノートパソコンのキーボードは極薄のフィルムシートに導電性のあるパターン配線を施し、その上にキー機構を配置した構造になっています。長期間の使用や衝撃、液体侵入などによって配線や接点に不具合が発生することがあります。
また、配線はマトリクス状に構成されているため、一部の回路に問題が起きると複数のキーが同時に反応しなくなることがあります。
内部のフィルム配線が故障した場合は部分修理が難しく、多くの場合はキーボードユニットごとの交換になります。
故障の原因は様々ありますが、最近多い機種依存性のあるキーボード故障というのもあります。パソコンの機種名で検索をかけてみて、キーボードの故障修理事例がたくさん出てくるモデルは機種依存性の故障の可能性があります。
機種依存性とはどういうことかについては以下のコラムページを参考にしてください。
「パソコン・タブレットなどIT機器が故障する本当の原因とは?「機種依存性の故障」」
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4008428/

※キーボードユニットの表面と裏面
※裏面のフィルム配線パターン
物理的な問題なのかソフト的なのかまずその切り分けを的確に行う

キーボード故障を疑う前に、まずスクリーンキーボードや外付けUSBキーボードなどで正常に入力できるか確認してみましょう。
スクリーンキーボードや外付けキーボードでは問題なく入力できる場合、ノートパソコン本体のキーボード故障の可能性が高くなります。
逆に同じ症状が発生する場合は、キーボード設定やIME、日本語入力システム、ドライバなどソフトウェア側に原因がある可能性があります。
キーボードのトラブルの際は、まずその切り分けを的確に行うことが必要です。
特定のキーが一つだけ入力できない場合

まれに、特定のキーが一つだけ動作しないことがあります。周辺のその他のキーには問題がなく、ただ一つだけ入力できなくなるというパターンです。その場合は何が起きているのでしょうか。
考えられるのがほこりや汚れ、異物などの影響です。動かないキーの直下にあるラバーカップやパンタグラフなどにほこりやゴミが噛んでいたり、食べ物や飲み物などをこぼしたものが固着して動作不良が発生している可能性があります。
このような場合はエアダスターなどでキーボードの清掃を行いましょう。汚れが激しい場合は刷毛などを使って掃除をします。
エアダスターを使用する場合は缶を傾けず、短時間ずつ噴射するようにしましょう。
キートップを外して行うほうが効果が高い場合もありますが、キートップやパンタグラフの固定構造は機種によって異なります。無理に取り外すと樹脂製の固定部品を破損してしまうことがありますので、事前に構造を確認して慎重に作業を行いましょう。
キー取り外し用の治具があればなお良いです。通販などで「キートップ引き抜き工具」などで検索すると良いでしょう。
※キーの下部にゴミやほこりなどの異物が噛み込むと、パンタグラフやラバーカップの動きが悪くなる原因に。精密な部品なので汚れの程度によっては変形したり、最悪は折れて壊れてしまうことも。普段からこまめに清掃をすることがトラブル予防になる。
清掃しても改善しない場合、そのキー直下でフィルム基板内の接点不良が起きている可能性があります。この場合はキー1つだけのトラブルでも構造上対処は難しく、多くの場合はキーボードユニットごとの交換になります。修理専門ショップなどに相談したほうがよいでしょう。
なお、飲み物などをこぼして以降に症状が発生した場合は、通電を続けることで故障が拡大することがあります。速やかに電源を切り、可能であればバッテリーや電源ケーブルを外して修理を検討しましょう。
キーボードのキーが外れてもとに戻せなくなってしまった

キーボードのキーが操作中に爪などに引っかかって外れたり、子供が目を離したすきにキーを取ってしまったなどが原因で元に戻せなくなってしまったことがありませんか?
単に外れただけなら、パンタグラフとキートップを再度元の位置に取り付け直して上から押さえれば元に戻ることがあります。
しかし、外れた際にパンタグラフなどの構成部品がなくなってしまったり、キートップ裏面の樹脂マウント部分が割れたり折れたりして破損してしまった場合は元に戻せなくなってしまいます。
そのキーだけを入手するというのも難しく、メーカーでは外れたキー1個だけを交換修理するような対応はほとんど行っていません。
そんな場合、応急処置としてキーを入れ替えるという方法が使える場合があります。キーボードの「Ctrl」キーや「Alt」キー、Windowsキーなどが左右に配置されているPCでは、片方を移植できるケースがあります。プロパティキーなど使用頻度の低いキーを流用できる場合もあります。
ただし、これはあくまで応急処置です。キーの大きさだけでなく、パンタグラフ形状や固定爪の位置、高さまで完全に一致している必要があります。機種によっては同じように見えても構造が異なるため、移植できない場合もあります。また、入れ替えたらキートップの文字をシールなどを貼って本来のキーの文字を再現する必要があります。



キートップが外れた場合に自分で復旧させる際の注意点ですが、移植するキーのパンタグラフやキー裏面のマウント部分を破損させないように注意する必要があります。キーを入れ替えようにも構成部品やマウント部が破損していると取りつかないので入替ができなくなってしまいます。
主要各メーカーのキーボード修理費用の目安

故障が濃厚になったキーボードはユニットごとアセンブリ交換が必要になります。その場合、修理費はかなり高額になることがあります。ノートパソコンのキーボードはメーカー修理になる場合が多く、特に最近の機種では2~3万円を超えることもあり、PC本体の買い換えが視野に入る程度となることもあります。
●以下URLは各PCメーカーの概算修理見積です。キーボードの項目を参照してください。
〇HP PC - 概算修理料金のご案内
https://support.hp.com/jp-ja/document/ish_11008363-11673807-16
〇NECの修理費用の目安
https://support.nec-lavie.jp/navigate/support/repair/guide/expense/index.html
〇dynabook(旧東芝)の修理費用の目安
http://dynabook.com/assistpc/repaircenter/re_list.htm
〇富士通の修理費用の目安
https://azby.fmworld.net/support/repair/syuribin/charge.html
〇Lenovo(旧IBM)の修理費用の目安
https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/hf000982
〇VAIO 修理目安料金確認・故障診断・修理申し込み
https://www.sony.jp/support/repair/repair_price_online.html
急いでいる場合や、買換えの予算がない場合、修理に出すわけにはいかない場合もあるかと思います。そんな場合はもうどうすることも出来ないのでしょうか?
とりあえず今だけどうにかしたい!など急いでいる場合

修理に出している時間がない、仕事でどうしても作業をしないといけないという緊急の場合、スクリーンキーボードという方法があります。
現行のWindowsならばどのバージョンにも標準で装備されていますのでほとんどの環境で設定などなしに使うことができます。
起動方法は、Windows10では"スタートメニュー"の"アクセサリ"フォルダ内の"コンピュータの簡単操作"の中にあります。Windows11ではスタートメニューのアプリ一覧内にあります。キー操作で呼び出す場合は"Windowsロゴ"キー + "R"キー(ファイル名を指定して実行)、oskと入力して Enterで起動します。
画面にキーボードが表示されるので、動作しなくなったキーをクリックすることで実物のキーボードと同じように入力できます。とりあえずお急ぎの場合はこの方法で急場をしのげます。
※Windows10のスクリーンキーボード
※Windows11のスクリーンキーボード Windows標準の機能。簡単に使えて重宝。
費用面で、またはPCが古いので修理せずに解決したい
パソコンが古くて修理に出す程でもない、費用面で急な出費は想定外・・・という場合の解決方法ですが、デスクトップ用のUSBキーボードを使うという方法があります。
PCショップや家電量販店などで販売しているデスクトップ用USBキーボードを外付けとして使う方法です。デスクトップ用でもノートPCに接続すれば設定なしに使用できますので簡単。ほとんどの機種、OSで標準デバイスとして認識され、問題なくすぐに使用できます。しかも安いものでは1,000円以下で入手ができるものもありますので、ほとんど費用がかからない裏技的な方法です。
しかし、難点としては外付けとなるため、頻繁に持ち運びをするPCやデスクが狭い場所などでは"嵩張る"ということ。どうしても持運びや、使い勝手を優先させたいのであれば、この方法では解決できませんからやはり修理が必要となるでしょう。
デスクトップ用キーボードでもBluetoothやUSB無線方式のコンパクトなキーボード、またはモバイルキーボードならかさばりません。無線方式は若干価格が高いですが、配線がないのですっきりします。
※デスクトップ用 USBキーボードをノートPCでも流用できる。USBポートに挿すだけで認識して使える。
※Bluetoothキーボードなどの無線キーボードならコンパクト。
物理的な問題なのかソフト的なのかまずその切り分けを的確に行う

スクリーンキーボードや外付けキーボードでもキー入力がおかしい場合、それはキーボードが原因ではなく、システムや設定、ソフトウェアの問題が濃厚です。
そのような場合は、物理的な修理では直りませんから、システムの修復や設定の見直しが必要となります。
キーボードのトラブルの際は、まず物理的な故障なのか、設定やソフトウェアの問題なのかを切り分けることが重要です。原因を正しく見極めることで、無駄な修理や買い換えを避けることができるでしょう。
筆者実績
http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss


