パソコンの本体やACアダプタ、充電器が異常に熱い!故障?危険はないの?その判断方法とは

古賀竜一

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テーマ:機器と端末の管理と保守


結論:今時のIT機器には保護回路などが装備されているので熱くなっても設計上問題ない。しかし、欠陥や故障、使用環境によっては危険な状態になることもあるので無視はせず適切な管理が必要。

事例:手を当ててみて触れないような温度になっていたり、外観の変形や異臭、異音がするなど異常がある場合がある。そのような場合はただちに使用を中止する。

要点:IT機器は精密機器なので、温度管理に気を配ることで機器の動作が安定し、故障や劣化を招きにくくなる。


"熱くなる"のは異常なのかそうでもないのか


先日あるユーザーから、「ノートパソコンの側面(CPU排熱口)の周りがとても熱いけれども大丈夫なのでしょうか?」という問い合わせがありました。そのほかにも、「ACアダプタが異様に熱くなるけれども故障なんでしょうか?」という相談もサポートの事例ではよくあります。

パソコンやスマホ、Wi-Fi(モバイル)ルータなどの電子精密機器は、稼働中に熱を持ちます。その大きな原因として、一番仕事をしているCPUやGPUなどの演算装置、LSIなど各種制御回路から熱が出るためです。そのほかにも、電源回路や充電制御回路、バッテリー本体などから発生する熱も加わります。

CPUやGPUは高速でデータを処理するため、それなりに大きな電力を消費します。パソコンやスマホなどで高性能なスペックを持つ機種ほど消費電力も大きくなり、それに比例して発熱量も増えます。特に3Dゲームや動画編集などを行うとデータ処理量が膨大になるため、演算回路はフル稼働します。

その結果、機器本体もかなり熱くなります。ですからパソコンやスマホは、その仕組み上どうしても発熱自体を避けることはできないのです。

また、ACアダプタや充電器が熱くなるのは、コンセントの交流電源(AC100V)を機器に必要な直流電源(DC)へ変換しているためです。この変換では必ず電力損失が発生し、その一部が熱になります。

容量が大きい機器ほど扱う電力も増えるため、ACアダプタ本体も高温になりやすくなります。急速充電器も高出力で充電を行うため、それだけ熱が発生します。

設計上、これらの機器はある程度の高温に耐えられるよう作られていますので、通常使用で熱くなってもすぐ故障というわけではありません。しかし、あまりに熱いと不安になってしまうのも当然です。

判断の方法は「手で触ってみる」


ノートパソコンの場合、CPUファンの排熱口付近や底面の一部分が熱くなるのは普通で正常です。特に高性能ノートPCや薄型機種では、本体そのものを放熱板の一部として利用している場合もあり、金属筐体全体が温かくなることもあります。

ただし、軽作業しかしていないのに本体全体が異常に熱い、動作が極端に遅くなる、突然電源が落ちる、異臭がする、といった場合は注意が必要です。

※ノートパソコン起動中は側面のCPU排熱口に直接触れないこと。排気口付近は高温になります。CPU内部は高負荷時に100℃近くになることもあり、その熱を排気口から外へ逃がしています。機種によっては排熱口からかなり熱い風が出ることがあります。また、ノートパソコン底面も高温になることがあるため、膝の上に長時間乗せて使用すると低温やけどの原因になる場合があります。


ACアダプタや充電器が正常範囲かどうかを判断する一つの目安は、実際に触れてみることです。また、非接触式温度計で表面温度を測定してもよいでしょう。

充電中や高負荷作業中であれば、ACアダプタはかなり熱くなることがあります。高負荷時には表面温度が50~70℃前後になることも珍しくありません。しかし、作業をほとんどしていない状態やアイドル状態なのに、数秒も触っていられないほど熱い、異臭がする、外装が変形しているという場合は異常の可能性があります。

特にゲームや動画編集、急速充電などで機器がフル稼働していると、ACアダプタや充電器の温度はかなり上がります。触ると驚くほど熱く感じることもありますが、多くの場合は正常範囲です。不安がある場合は、風通しの良い場所に置き、周囲に熱がこもらないようにすると故障予防にもつながります。

充電器の発熱がどうしても気になる場合は、窒化ガリウム素子(GaN)を使用した充電器も選択肢になります。価格はやや高めですが、変換効率が高く、小型でも発熱を抑えやすい傾向があります。

Baseus製、最新技術GaN採用の新型充電器とモバイルバッテリーをユーザー目線でレビューする
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/5096442/

Baseus製PD(GaN採用)最新4ポート用USB充電器で全ポート同時に充電してみた
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/5100847/


●熱くなる機器の対処方法を以下のコラムにまとめてみました。

熱くなるパソコン、タブレット、スマホを効果的に冷やして暑さから守る方法
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4008893/

※純正以外のACアダプタを使用している場合は機器にあっていない可能性があります。以下を参考に見直しをしてみましょう。
ACアダプタはコネクタ形状や電圧・電流表示が同じでも互換性があるとは限らない

熱くなっても安全回路がある。でも異常は放置しない


ノートパソコン本体が異常な高温になる場合、排熱に問題が起きている可能性があります。例えばCPU冷却ファンがホコリや摩耗で正常回転していない、ヒートシンクや排気口にホコリが詰まっている、といったケースです。また、システムやアプリケーションの異常によってCPU使用率が高止まりし、熱暴走状態になることもあります。

通常、パソコンやACアダプタ、充電器にはサーマルセンサーによる保護回路が搭載されており、危険な温度になる前に自動停止する仕組みがあります。そのため、通常使用で直ちに危険になるケースは多くありません。

ただし、故障品や粗悪品、リチウムイオン電池の異常、欠陥製品などでは発煙・発火事故が発生することもあります。ですから、「熱くても絶対安全」と考えるのは危険です。

また、保護回路が働いて停止した場合、そのまま使い続けるのは推奨できません。高温状態を繰り返すと、機器の寿命低下や故障につながります。パソコンの場合は強制停止によって、作業中データの消失やOS・ストレージ障害が発生することもあります。

そのため、保護回路が作動した場合は、原因を取り除くことが重要です。例えば、ファンや排気口の清掃、冷却ファンの修理や交換、異常動作しているソフトウェアの改善などを行いましょう。

ACアダプタについては、軽作業しかしていないのに触れないほど熱い、外装が膨らむ・変形する、異臭がする、といった場合は使用を中止すべきです。

異常な高温の原因は機器故障だけではありません。特に注意が必要なのは、バッテリー不良やリコール対象製品です。最近ではACアダプタやモバイルバッテリー、スマホなどの発火事故によるリコールも増えています。

異常を感じた場合は、念のため以下のサイトで確認してみましょう。


高温になる原因には使用環境もあります。布団やカーペットの上、狭い場所など放熱を妨げる環境では熱がこもりやすくなります。排熱口をふさぐような使い方をすると、正常な機器でも異常高温になりやすくなります。

「熱い=即故障」と判断する前に、まずは周囲の環境や放熱状態に問題がないか確認してみましょう。

人間は大丈夫でも機器にとっては危機


初夏は湿度が比較的低く、気温が30℃近くあっても人間はそこまで暑さを感じないことがあります。しかし、IT機器にとっては「30℃の環境」であることに変わりありません。

盛夏になるとエアコンが稼働し、室温は25℃前後に保たれることが多くなります。ところが初夏は、体感では快適でも室温自体は高いままというケースがあります。そのため、機器にとっては真夏の冷房環境より厳しい状態になることがあります。

特に高性能ノートPCや急速充電中の機器は周囲温度の影響を受けやすいため、初夏でも温度管理には注意が必要です。

放熱を簡単に改善する方法とは

周囲温度が高いと、パソコン本体やACアダプタが普段より熱くなることがあります。そのような場合は、日が当たらず風通しの良い場所へ移動させましょう。

また、小型扇風機などで風を当てるだけでも冷却効果があります。

「気温と同じ温度の風を当てても意味があるのか」と思うかもしれません。しかし、50℃近いACアダプタや高温の排熱部に対して30℃の空気を流せば、温度差によって放熱が促進されます。

扇風機による空気の流れは単純ですが、熱を逃がす方法としては非常に効果的です。

「熱い=即故障」とは限りません。しかし、異臭・変形・異常停止・バッテリー膨張などを伴う場合は危険信号です。まずは使用環境や放熱状態を確認し、それでも改善しない場合は使用を中止して点検を受けましょう。


九州インターワークス 注目のページ
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

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