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高塚哲治

欠陥住宅問題を解決し良質な建築の創造へ導く一級建築士

高塚哲治(たかつかてつじ) / 建築家

タウ・プロジェクトマネジメンツ一級建築士事務所

コラム

「建築って何?(57)」建築の「オーダー」(Order)

2012年11月2日 公開 / 2020年12月28日更新

テーマ:建築の仕組み

コラムカテゴリ:住宅・建物

 建築にけるOrder(秩序、順序;、配列)とは、「柱」と「梁」など部材相互の秩序ある組み合わせのことを指します。オーダー(Order)は、古典主義建築の基本単位となる「円柱」と「梁」の構成法で、独立「円柱」(柱基、柱身、柱頭)と「水平梁」(エンタブラチュア)から成り、一般的に「トスカナ式」「ドリス式」「イオニア式」「コリント式」「コンポジット式」の5種類を指します。
 オーダー(Order)は、「ギリシア建築」「エトルリア建築」「ローマ建築」に遡る定型化された「柱」の装飾方法です。「古代ギリシア」では伝統と結びついた重要な手法でしたが、「ローマ帝国」末期には重要性を失い、東ローマ帝国(ビザンティン建築)では早い段階で消失しました。
 西欧諸国では、「柱」の装飾として粗野な「コリント式」の装飾が使われ続けましたが、「ルネサンス」の時代に「古典建築」が再発見されると、オーダー(Order)は再び注目されるようになりました。
 「ルネサンス」後期になると、オーダー(Order)は建築美の究極の姿として権威化され「、古典主義建築家」たちの間で、オーダー(Order)のいかなる比例関係が真の美であるかということが真剣に論議されるようになります。17世紀になってオーダー(Order)=真の美という考え方に疑問が持たれますが、18世紀末に「古典主義建築」の単なる記号として相対化されるまで、オーダー(Order)は建築において絶対的な地位を保ち続けたのです。




設計監理/調査鑑定/CM(コンストラクションマネジメント)
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