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コラム
「建築って何?(6)」一回性と分業化
2012年5月7日 公開 / 2020年12月28日更新
建築行為は次の特徴を有しています。
①原則として1回限りである。
②多様性と多目的性が内在している。
③建築行為のプロセスが分節化している。
④関係者が臨時的に構成され、細かく分業化している。
⑤完成引き渡しを受ける前に契約する。
①は、同じ敷地に同じ建築物をつくることは無いことから容易に理解できるところです。
②についても、建築物の大きさ・予算・関係者(設計者/施工者など)・使用する目的などがすべて異なることから当然のことです。
③は、一例として「建築の発意(新築/増築/改修などの建築行為を行おうとする意思)⇒企画/予算⇒設計⇒確認申請⇒施工者選定⇒契約⇒下請の決定⇒材料の発注・運搬⇒現場施工⇒検査⇒引き渡し」のように分節化していることは想像がつくと思います。
④は、その都度、臨時的に関係者が集合し完了と同時に解散する。また、各工程において、材料/運搬/下請/職人などがその職種に応じて参加していることは言うに及びません。また、分業化/プレハブ化は時代とともに進行しています。「リスクの拡散化」ということができます。
⑤は、請負契約をする場合の双方(建築主、施工会社)のリスクとなります。
このように、建築行為においては、契約・各プロセスの接点(時間的接合点、人的接合点)で、非常に高いリスクを有しています。この「分散化するリスク」を回避する方策を立てなければ、予想外の「欠陥」を有してしまう可能性が高まります。
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