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野良猫対策

菊池捷男

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テーマ:民法雑学

近所に野良猫に餌を与える者がいて、自宅の花壇その他に野良猫の糞尿があり困っている状況にある人にとって、お知恵をお貸ししましょう。

⑴ 動物愛護法違反
動物愛護法25条では、都道府県知事は、動物に餌を与えることにより、騒音や悪臭の発生、毛の飛散、昆虫の発生により周辺の生活環境が損なわれた場合には、その原因を発生させた者に対して、指導、勧告、命令を行うことができると定められています。同法においては、野良猫等に対する餌やりを禁止したものではありませんが、周辺の生活環境が損なわれた場合には、餌やりが制限される可能性があります。なお、上記知事からの指導等に従わない場合は、50万円以下の罰金が科される可能性があります(同法46条の2)。
方法としましては、一度自治体の衛生課(動物関係の担当課)に連絡することが考えられます。
⑵ 損害賠償請求の可否
法律上、野良猫に対する餌やりが禁じられているものではありませんが、餌やりにより野良猫が地域に居着き、糞尿等により近隣に迷惑や不快感その他の権利利益の侵害をもたらした場合には、餌やりをした者に対する損害賠償請求が認められる可能性があります。
具体的には、野良猫に寝床や餌を用意するなどし、近隣に猫を居着かせ、行政機関の指導にも従わずに飼育ないし餌付けを継続した結果、他人の土地建物を糞尿等で汚損したことを不法行為と認定し、慰謝料50万円を支払うことを認めた裁判例があります(福岡地裁平成27年9月17日判決:参考資料)。
当該判決では、動物愛護にも一定の理解を示しながらも、他者の権利の侵害をもたらすことのないよう配慮することは当然に求められるべきであると述べられています。
餌やりが長期間継続しており、被害が発生している場合には、餌やりがいつ頃から開始されたのか、いつ頃から野良猫が居着くようになったのか、具体的な被害としてどのようなものが発生しているのか等客観的資料等が必要となりますので、写真を撮影したりする等が必要ではないかと思われます。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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