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警備員が交通整理をする場合の責任とその割合

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テーマ:交通事故

警備員が交通整理をする場合の責任とその割合

 1.東京地判平成15年9月8日は、「交通誘導警備の手引」を参照にして、「警備員の行う交通誘導は,警備業法や道路交通法等の法令上,何ら特別の権限が認められているわけでなく,単に工事現場等において人や車両の通行の危険を防止し,かつ,道路工事等が一般交通に与える影響を緩和するという目的に適合する範囲内において,誘導を受ける側の自発的な協力に基づき行われるものに過ぎない」。ただし,「警備員が道路交通法等に定められた車両又は歩行者の通行方法と異なる誘導を行うことは,交通を混乱させて,一般の歩行者や車両等に迷惑をかけ,ひいては,交通事故を発生させる原因となるため,許されないばかりでなく,その相手方が警備員の誘導に従い道路交通法に違反したときは,その誘導を行った警備員も同法違反としての責任を問われることがある」と判示しています。

2.過失割合
東京地判平成20年7月22日は,「運転者が自らの自動車と駐車場所との位置関係を認識した場合には,駐車場所と位置関係の調整は一次的には運転者が配慮すべきものである」が、「自動車とポールとの間隔が10cm程度と近い場合には,誘導担当者においても自動車がポールと接触することがないように,通常よりもきめ細かく注意を促す等の配慮をする注意義務があった」と判示したうえで、過失割合について,運転手:誘導員=70:30と判示しています。

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

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