言葉11 英国王の吃音を治した男の話
吉川英治の「美しい日本の歴史」と題する著作の中に、菊池寛の言うところの「講演の秘訣」が紹介されています。
すなわち、菊池寛は、「きみ、講演てえのは挿話が大事なんだよ。挿話で喜ばせといて、主旨を呑み込ませるんだよ。」という一文です。
菊池寛は、著書「勤王菊池一族」の「序」で、「私も菊池一族の末裔である。末流中のあやしい末流であるかもしれないが、この光輝ある祖先をいくらかでも顕彰することは、文筆を業とする私の冥加であると考え、この一冊を書いたのである。」と著作の動機を書いています。
さて、私のことですが、「私も菊池一族の末裔である。」とは自信をもっては言えませんが、ひょっとして菊池寛の言うように「末流中のあやしい末流であるかもしれない」わけですから、ここで、私が、菊池寛の言う講演の秘訣に倣って、本日から書くコラム50選の中に、挿話を入れてもよいだろうと考えました。
もっとも、私が、コラムの中に挿話を入れたからといって、講演が上手くなるということでは決してありません。
講演は、当意即妙の才と、軽妙洒脱なユーモアのセンスがないと、なかなか上手にできるものではないからです。
その点、私は、その二つの才に欠けているため、講演はからっきし下手です。
それはともかく、本日から50日間、私が大切にしたいと考えていること(言葉とロータリー)について、一話ごとに何らかの挿話かエビデンスを入れて、書くことにしました。ご一読いただけば幸いです。