2021/02/17 進歩と成長
2021/06/04 奇貨置くべし、商機は一瞬に来、一瞬にして去るのだから
事業家A氏の言である。
かれは、自社所有の土地に隣接する土地の所有者から、その土地を買ってくれないかと言われ、路線価でなら買うと答えたが、その後、その土地は他社が買い、その上にマンションを建てた。そのため、A氏は、隣地を取得して自社所有地を拡張するという千載一遇の機会を生かせなかったのであるが、不利益は、それだけではなく、隣地に高層建物が建てられたことから、陽当たりの恩恵の一部を失う結果になった。
その数年後、A氏は、別の場所にある自社所有の土地の、道路を隔てた反対側の土地の所有者から、その土地を買ってくれないかと言われ、一も二もなく、買うことにして、売主の希望する価格で買った。その金額は、路線価よりは、何割か高い金額であったが、その土地を買えたことで、A氏は大満足であった。
このとき、A氏は、思ったようだ。
向こうから買ってくれないかと言われるような土地は、買うだけのメリットがある土地である限り、その資金の確保ができる限り、買うことにしたと。
“奇貨居くべし”という古語もあることだ。
また、“商機は、一瞬に来、一瞬にして去る”こともA氏じしんの体験で学んだことだからだと。
【 言葉の意味 】
奇貨:珍しい品物
奇貨居くべし(きかおくべし)
:珍しい品物は買っておけば、あとで大きな利益をあげる材料になるだろう。得がたい好機を逃がさず利用しなければならない意にいう。(大辞泉)