2020/07/29 女性の真価、端倪すべからざるものあり
2021/02/12 現代版「綸言汗の如し」
「綸言汗の如し」という諺がある。
この諺にいう「綸言」とは、天子の言葉である。
「汗の如し」とは、いったん体から出た汗は元へ戻すことができないように、天子の言葉は、否定も撤回もできないという意味になる言葉だ。
そのため、清の乾隆帝の御代。
乾隆帝は、黄公望の「富春山居図」の模本を、真本と誤解してこれに賛を入れてしまった後、真本を手に入れたが、これに賛を入れることはできなかったという逸話が残されている。
それほど、いったん口から出す言葉の意味は大きいのだ。
しかし、現代版は、そうにはならない。
真実に反する言葉は、撤回されることになる。
しかし、それには辞任などで、間違った言葉を発した責任は取らねばならないことになる。
重要な責任を負った者は、このことを自戒の教えと心得るべきであろう。
今日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視ととられかねない発言をした(2月3日)責任を取られて、その職を辞任された。
このことは、森会長自身の身を持って、多くの人に、言葉の重さを伝えられたものと理解すべきであろう。