2020/07/17 16:07 久闊を除す
2021/01/31 ガバナーが推薦したいもう1冊
昨日の続きだが、私は 出版社PHP研究所 (2020/6/4発行) の[新訳]ローマ帝国衰亡史 (PHP文庫) も推薦したい。
この本は、18世紀最大の歴史家エドワード・ギボン(Edward Gibbon,)が著した「ローマ帝国衰亡史」の中から各時代の代表的な章を選び、翻訳、再編集して一冊にまとめた抄訳の書である。
原著は、インドの初代首相ジャワハルラール・ネールが名著「父が子に語る世界歴史」の中で、「流れるような旋律を持った文章を、どんな小説よりも夢中になって読んだ」と読後感を書き残した本であり、哲学者バートランド・ラッセルがいうところの「芸術としての史書」であり、著名な外交官がこの本により問題解決の知恵を得たと繰り返し語ったとされる本であり、英国首相ウイルストン・チャーチルがここから学びとった叙述法で、「第二次世界大戦回顧録」を書きノーベル文学賞を受賞したとされているほどの文章で綴られた本である。
私も10年以上前になるが、この全訳本の一部を読んだが、その豊富な語彙、豊かな表現力、吸い込まれるような論理、圧倒される説得力、美そのものと言って良い流麗な筆致に、ただ陶然と酔ってしまうほどの感銘を受けたものである。
ここで紹介するのは、原著の抄訳本であるが、訳者は優れた翻訳者であり、原著の旋律をそのまま伝えてくれている書籍である。
であるから、ロータリアンにはぜひお読みいただきたく、ここにお薦めするしだいである。
【言葉の意味】
抄訳:
原文のところどころを抜き出して翻訳すること。また、その訳文。そこに書かれた文章は、原著そのものの訳文。
ダイジェスト版でいう「ダイジェスト」とは、要約のことなので、原著者の文章ではない点で、抄訳とは大きな違いがある。