2020/09/29 総社吉備路RC公式訪問記
2021/01/22 2021年を占う 11 事業売却も活発になる
本日付の日経新聞[有料会員限定]によれば、資生堂は同日、一定範囲の日用品事業を売却する方針を固めたとの報道があった。売却先は欧州系大手投資ファンドとのこと。売却額は1000億円を上回る可能性があるとのこと。
M&Aといえば、事業の買収を思いがちだが、収益力の低い事業は売却され、主力の事業に経営資源を集中させる傾向が、今年も一段と進むものと思われる。
なお、この事業の受け皿は、資生堂が35%、投資ファンドが65%を出資する特別目的会社(SPC)になるようだ。
特別目的会社(SPC)も「合弁会社」の一つだ。
この事業譲渡の動機は、新型コロナウイルス禍で訪日外国人客の需要が蒸発し本業の化粧品事業が苦戦していることと、ヘアケア事業は新興メーカーの攻勢を受けてシェアを落としていることなどだそうだ。
ならば、今年も、多くの企業で、事業の分離・統合、すなわち会社分割なども加速するものと思われる。
なお、その前日付日経新聞によれば、日立製作所が北米のIT(情報技術)分野でM&A(合併・買収)に乗り出すこと、その規模は2022年3月期をめどに3500億円超になること、一方で、日立化成や日達金属など非中核子会社を売却し、IT事業を成長の柱に据えて事業構造の改革をさらに進めることなどを報じている。
要は、各企業は、新型コロナウイルスの感染拡大を契機とする新常態を見据えた成長戦略を探りつつ、投資を継続しているということだ。
であるから、今日の大企業が明日の大企業とは限らず、逆に、今日は小規模会社だが、明日は大会社になる会社もあるだろう。
今という時代は、実に激しい時代の大きな転換点であることは間違いなさそうだ。
今こそ、ロータリーの職業奉仕(職業倫理+政策課題を達成するための投資)が問われる時代といえよう。