2020/07/16 17:22 温厚にして、熱きこころ
2020/11/23 何が正しいかではなく、何が賢明かが大事
今月20日付けの 日本経済新聞に載っていた、コラム「米に巣くう社会階層の溝」(グローバル・ビジネス・コラムニストの肩書きを持つ ラナ・フォルーハー女史の意見)から、私が読み取ったメッセージは、
①米国は今、富と権力が、雇用を増加させ経済発展を遂げている一部の都市に、集中している。
②それは有能な若年層がそこに集中してくるからで、
③そのために不動産価格は高騰し、スーパースター以外の人は住めなくなり、
④住めなくなった人は、社会階層を上がる道を閉ざされてしまっている。
⑤その結果、社会階層を上がることのできなくなった人々は怒り、デマゴーグにあおられやすくなっている。なお、デマゴーグとは、煽動的民衆指導者のこと。
⑥それが2016年の大統領選挙で、トランプ氏が勝利した原因だろう。
⑦しかし、2020年の大統領選挙でバイデン氏は、前回選挙ではトランプ氏が勝利したラストベルト(さびた工業地帯)のウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアで勝利した。
⑧バイデン氏がこれらラストベルトで勝利できた理由は、前回の大統領選挙でトランプ氏に投票した人たちを、軽蔑することも、否定することもしないで、彼らが置かれた境遇に理解を示して、「共感と敬意をもって」彼らに語りかけたからだ。
⑨なお、前回の選挙で、クリントン候補は、トランプ氏支持者を「嘆かわしい人たち」と批判した(バイデン氏の言とクリントン氏の言の違いは大きい)。
⑩最近、多くの作家や学者が指摘するとおり、言葉は重要だ。
⑪私たちは意見の相違について「怒りではなく関心を持つ」べきだ。
⑫「何が正しいか」でなく「何が賢明か」が大事だ。
これらのメッセージからは、教えられるところが大きい。
特に、⑪と⑫は賢者の言として記憶しておきたいもの。