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2020/07/27 「訊く」と「聞く」と聴く」と「きく」

2020年7月27日 公開 / 2020年7月28日更新

テーマ:菊池捷男のガバナー日記

コラムカテゴリ:法律関連

2020/07/27 「訊く」と「聞く」と聴く」と「きく」

・女房の「あなたにお訊きしたいことがあります。」で始まる文句で、震え上がった御人(夫族)はゴマンといることだろう。
このときの「きく」は訊問の意味だから「訊く」になる。
漢字の意味は、その漢字を含む熟語を探せば、よく分かる。
「訊く」には、「訊問」がある。
・「最近聞いたことだが」というときは、「最近耳にしたことだが」の意味だから、門の中に耳を書く。
熟語には、ほのかに聞いたという意味の「仄聞」(そくぶん)があり、聞いて知ったという意味の「聞知」(ぶんち)がある。
・「聴く」は、積極的に耳にいれるために聴くときに使う漢字だ。熟語には、「聴取」がある。
この語は、耳に徳を与える、いや、耳をとおして徳を植え付けると考えるべきか、耳に徳ありと覚えるとよい。
うん? 地区ガバナーの講演をきいたが、ちっとも徳が身に付くような内容じゃあなかったが、それでも聴いたことになるのかって訊かれるのかい? 
・そういう場合は「きく」と仮名で書くのが無難だ。
地区ガバナーに、あなたの講演をききましたが、と手紙でも書けば、ガバナーさんも赤面するだろう。
中には、ぼーとした菊池捷男ガバナーのようなガバナーもいるので、赤面しないガバナーもいるかもね。
実は、漢字は有意文字といわれるだろう。だから、自分が使う言葉に漢字を当てる場合、その漢字に漢字固有の意味が宿っていないと思うときは仮名で書くのが正解なのだ。
地区ガバナーの話を聴いたが、じつにくだらん話だったと書くと「聴いた」と「くだらん話」は矛楯するような気がするだろう。だったら、良い話だとは思わないときは、「きいた」と仮名で書くのがいい。
菊池捷男のガバナー日記2020/07/10「識字率の向上が必要なのは、日本人も同じだ」の中で、平成天皇のお言葉を紹介したことがある、平成天皇陛下(いまの上皇陛下)が、「とともに」と「と共に」を使い分けられているのは、そのためなのだ。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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