コラム
2020/07/09 菊池捷男の多様性の実践論は「誉誉褒褒」にあり
2020年7月9日 公開 / 2020年7月16日更新
2020/07/09
菊池捷男の多様性の実践論は「誉誉褒褒」にあり
人は、自分の、経験という管(くだ)を通して眺めた世界しか、見えないという宿命を負わされている。その管を通して見る世界観を「管見」という。
管見の管は、広くしたいもの。
その方法論は、多様性を受け入れることである。
その実践論として、私は、誉誉褒褒に努めている。
なお、この誉誉褒褒という語は私の造語である。
根拠は、次のごとし
「毀誉褒貶(きよほうへん)」という言葉がある。ほめる意味の漢字と、けなす意味の漢字を二字ずつ当てた熟語である。意味は、人にまつわる評判の多様性をいう。
人は、どんな立派な人でもそしられ、貶(けな)される面があり、また、どんなに否定的に見られる人でも褒められるところが一つや二つはあることを思えば、毀誉褒貶は、人の属性の一つであること明らかであろう。
戦国の武将である黒田官兵衛は、「身は毀誉褒貶の間にありといえども、心は水の如く清し」と言い、自らの名を黒田如水と改めた。
人が褒めてくれようが、貶そうが、俺は俺だと、うそぶいている黒田官兵衛の姿が彷彿とする言葉のように思われる。
このように、人は誰でも、毀誉褒貶いずれの評価もできるのであるから、人を評価するのは、誉誉褒褒だけがよい。
多様性を受け入れる「寛容」は、人の美点、麗質を探して、褒めること求めていると思うからである。
かくて、私は、努めて人の美質を取り上げ、称揚することで、多様性を受け入れる心構えにしようと考えているのである。
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