著作権 26 建築
高校の教科書に載った地図を、商売用に利用すると著作権法に違反するか?
回答
著作権法は,「著作物」を,「思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術または音楽の範囲に属するもの」と定義しています(法2条1項1号)。また,著作物の例として,地図,図形の著作物,具体的には,「地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物」を規定しています(法10条1項6号)。
「一般に、地図は、地形や土地の利用状況等を所定の記号等を用いて客観的に表現するものであって、個性的表現の余地が少なく、文学、音楽、造形美術上の著作に比して創作性を認め得る余地が少ないのが通例で」す。
「それでも、記載すべき情報の取捨選択及びその表示の方法に関しては、地図作成者の個性、学識、経験、現地調査の程度等が重要な役割を果たし得るものであるから、なおそこに創作性が表われ得るものということができ」ます。「そして、地図の著作物性は、右記載すべき情報の取捨選択及びその表示の方法を総合して、判断すべきもので」す。カギ括弧内の字句は、東京地判平成13年1月23日から引用したものです。
このように裁判所は,地図,図形であっても「著作物」にあたる場合を認めています(
そこで,ご質問に対する回答ですが、。
高校の教科書に載るほどの地図ならば、教育目的の観点から一定の情報が取捨選択された上で,表示方法にも工夫を凝らした上で作成されている可能性が大でしょう。ですからこれは「著作物」にあたる可能性が大だと思います。