Mybestpro Members

菊池捷男プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

黄金株って、何だい?①

菊池捷男

菊池捷男

テーマ:菊池と後藤の会社法

1 意味 
菊池: のう、後藤!黄金株って、黄金でできた株式でないことは分かるが、どんな株式なんだい?
後藤: 黄金株(Golden Share)は、黄金という語が付いているので、いかにも金額の高そうな株式のような印象を与えそうだが、金額的に高いわけではない。これは、平成17年に成立した会社法で認められた9個の種類株式の一つでね、黄金株の株主による承認がない限り、株主総会の決議や取締役会決議の効力を生じないという強力な権利を付与された株式をいうんだよ(会社法108条1項8号)。
菊池: はやい話、「拒否権付種類株式」のことだよな。で、黄金株の内容、つまりはどのような決議の効果を、黄金株の株主の意思にかからしめるのかという、拒否できる対象になる決議は、定款の中で定めておく必要はあるんだろうなあ。
後藤: 当然、そうだよ。黄金株の内容は定款に規定されることになっているよ。また、登記簿にも記載されることになっているよ。
2 譲渡制限株式にする必要あり
菊池: で、後藤よ!黄金株は、株主総会決議や取締役会決議の効果を拒否できる強力な権限であるから、これが自由に譲渡できるとなると、どんな人間が黄金株の株主になるか分からないという危険があるんじゃないかい。
後藤: そのとおりだよ。黄金株は、濫用されるおそれがあり、ある意味危険な株式ともいえるので、簡単に第三者に譲渡されないようにしておかなければならないぞ。そのため会社法は、特定の株式についてだけ譲渡制限がついた種類株式の発行を認めたが、これは、黄金株を念頭に置いたものだ(詳しくは、相澤哲「一問一答・新会社法224頁」)。だから、黄金株を発行する場合は、その株式は譲渡制限付き株式にすべきだよ。
菊池:ところで、後藤よ!黄金株は、複数発行されるようなものなのかい。
後藤:いいや。黄金株をたくさん発行すると、それだけ濫用されるおそれが増すだろう。だから、実際に発行されるのは、1株くらいなものだろうな。それで目的は達成されるからな。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

菊池捷男
専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

菊池捷男プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼