第1章 相続の基礎 3 相続分(4)相続人チェックコーナー
【補説】
債務の相続について
格言ふうにいえば、“多く得る者は多く支払い、少なく得る者は少なく支払う”ということになりましょうか?
債務(負債)の相続は、遺言書で相続分の指定があればその指定された相続分で、指定相続分がなければ法定相続分で相続します。債権者からは、指定相続分があっても、法定相続分での請求は可能です。
指定相続分については、次の二種類があります。
⑴ 「妻の相続分を3/5と定める。」などと割合で定めた場合のその割合
⑵ 「長男に自宅の土地建物を相続させる。」などと特定の遺産を与える遺言(遺産の分割の方法を定めた遺言)の場合で、自宅の土地建物の全遺産に対する割合が法定相続分を超えているときは、その割合
⑵の例としては、全財産の価額は1億円、債務は2000万円あった被相続人について、相続人の長男が遺贈を受けた自宅の価額は7000万円という場合、これは全財産の7/10になるので、長男が相続する債務も7/10の割合の1400万円(全債務の7/10)になるということです。