市街化区域の農地についての小作契約の解約と適正な離作料
1 敷引特約
2017.10.2のコラムで紹介しました“敷引特約の有効性”や限界については、消費者契約法の適用を受ける建物賃貸借契約の場合、すなわち居宅の賃貸借契約の場合に、問題になるもので、店舗や事務所等の建物賃貸借契約の場合は、問題になりません。
それは、後者の場合、消費者契約法の適用を受けないからです。
敷引特約に関する、最高裁判所第三小法廷平成23年7月12日判決も、「消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は,敷引金の額が賃料の額等に照らし高額に過ぎるなどの事情があれば格別,そうでない限り,これが信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものということはできない。 」と判示していることからも明らかでしょう。
ですから、消費者契約法の適用を受けない契約の場合、“敷引特約”は、原則として、常に有効です。