不動産 オフィスビルの場合は,通常損耗の原状回復義務があるのか?
宅建業法36条1項は、「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。」と規定していますので、宅建業者が、売主になって、不動産売買契約を結ぶ場合、時期による制限があります。
広告の制限
同じ要件の下で、宅建業法33条は、「当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。」と定めております。
ですから、売買契約を結ぶことができるのは、
①宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了後
又は
②工事の完了前なら、「当該工事に関し必要とされる都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後」ということになります。
なお、「宅地の造成又は建築に関する工事の完了前」の基準時は売買契約時とされ(「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(平成13年1月6日国土交通省総動発第三号)、また,「工事の完了」とは,単に外観上の工事のみならず内装等の工事が完了しており,建物については居住等が可能である状態を指すもの、「宅地の造成」とは、土地の形質の変更をいうとされています。