不動産 公図の歴史
1 不動産登記法14条
不動産登記法14条 登記所には、地図及び建物所在図を備え付けるものとする。
2 前項の地図は、一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。
3 略
4 第一項の規定にかかわらず、登記所には、同項の規定により地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる。
2 「地図」とは
不動産登記法14条地図とは、現地復元能力をもった「地図」のことをいいます。
具体的には,
①不動産登記規則10条に定める法務局が自ら行った地図作成作業の成果である地籍図
➁国土調査法に基づく地籍調査の成果である地籍図(国土調査法20条1項)
③土地改良登記令第5条第2項第3号又は土地区画整理登記令第4条第2項第3号の土地の全部についての所在図
3 「地図に準ずる図面」とは,
不動産登記法14条4項の「地図に準ずる図面」とは,現地復元能力を持たない「図面」のことをいいます。
一般にいう「公図」(旧土地台帳法施行細則2条1項に基づき,法務局に保管されていた図面。同細則は昭和35年に廃止されている。)のことですが,国土調査事業や土地改良事業や土地区画整理事業の際に作成された図面でも,基準を満たしていないものは,現地復元能力がないため「地図」とは扱われず,「地図に準ずる図面」として扱われます。
公図は,具体的には,
①地押調査図(明示の地押調査の際に作成された図面)
➁耕地整理の換地図
などがあります。
公図は,一般的にいって,距離・面積・方位・角度はあまり信用できません。土地の配列や形状の概略が分かる程度のものとされています。
ただ,境界確定訴訟などでは,その作成目的や作成時期によっては,土地の境界(筆界)の判断資料として利用される場合があります。
4 「地積測量図」という言葉の意味
「地積測量図」は,土地の分筆登記や地積更正登記などの申請を行う際に法務局に提出される図面をいう言葉です。
これは,「不動産登記法14条地図」でも「地図に準ずる図面」でもありません。