(補説) 隣家の住人が難しい人や怖い人であれば,これも瑕疵
(1)瑕疵担保免責特約を結ぶ
原則として,瑕疵担保責任を免れる特約(「瑕疵担保免責特約」といいます。)は有効です。
ですから,売買契約書に,瑕疵担保責任は負わない旨の約款を書いておけば,瑕疵担保責任を負うことはありません。中古注宅の売買契約では,よく書かれる条項ですが,このような特約を売買契約書に書き入れると,買い受けた不動産に瑕疵があったとき,売主に何も請求できなくなります。
(2)宅建業者が売主である場合は瑕疵担保免責特約は,無効と有効があり
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約においては,瑕疵担保責任を負わないという契約をしても無効になります(宅地建物取引業法第40条第1項)。
ただし,宅地建物取引業者相互間の取引については,有効です(同法第78条第2項)。
そのため,買主も宅建業者であれば,当事者間での合意により瑕疵担保責任を負わない旨を定めても有効です。
(3)「隠れた瑕疵」を「隠れていない瑕疵」にする方法
瑕疵担保責任は,「隠れた瑕疵」について生じますので,売買契約書で,売買の目的物に瑕疵があることを具体的に表示しておくと,その瑕疵部分は「隠れた瑕疵」にはならず,瑕疵担保責任は負いません。
買主は,具体的に表示された瑕疵の存在は承知の上で,したがって,その存在は売買代金額の決定の際に十分に評価して,売買契約を結んだものとされるのです。