マンション① 言葉の意味
1 マンションの管理組合とは,法3条でいう「団体」のこと
区分所有法3条は,「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。」と規定しています。
マンション(「専有部分」の意味)を購入した人や法人は,自動的に,この法3条でいう「団体」に加入することになります。
2 「団体」は,法が創設したもの
区分所有法3条の団体は,法が創設したものです。その目的は,「建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うため」です。
多くのマンション(「一棟の建物」の意味)では,区分所有者の集会で,規約を定め,その規約に基づいて「建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための」管理組合を置いていると思われますが,この管理組合が「団体」としての要件を備えている限り,法3条の「団体」とみられることになります(東京地裁平成2.5.31判決)。
3 “管理組合”が「団体」とされる要件
(1) 管理組合法人
管理組合が,法人として登記されてあれば,立派な「団体」です。
参照:区分所有法
第六節 管理組合法人
(成立等)
法47条 第3条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。
2~5 略
6 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。以下略
7以下略
(名称)
第48条 管理組合法人は、その名称中に管理組合法人という文字を用いなければならない。
2 管理組合法人でないものは、その名称中に管理組合法人という文字を用いてはならない。
(2)権利能力なき法人
管理組合が,法人になっていない場合でも,団体としての組織があり,多数決の原則が行なわれ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織によつて代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものであれば,権利能力なき社団として認められることになっています(参照:最高裁判所昭和39.10.15判決)。
管理組合法人ではない,多くの管理組合は,全区分所有者を構成員とする規約を制定し,それに基づいて,多数決によって代表者を選出し,組合費の徴収や,その管理や処分などをしていますので,法3条の「団体」と認められることになっているのです。