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相続 相続分の譲渡を受けるとき,リスクに注意

菊池捷男

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テーマ:相続相談

Q 先日,母が亡くなり子である甲乙丙3人が相続人になりました。遺言はありません。 したがって,法定相続分は,甲乙丙それぞれ3分の1ずつですが,私(甲)は,乙が生前母から十分な財産の贈与を受けているので相続財産からは何も要らないといいますので,私が乙の相続分の譲渡を受け,私の法定相続分を3分の2にして,法定相続分3分の1の丙と遺産分割協議をしようと考えていますが,問題はありませんか?

A 問題はおおありです。
 相続分の譲渡を受けるということは,表面的には,法定相続分を譲り受けることですが,実質的には具体的相続分を譲り受けることになります。ですから,乙の具体的相続分がマイナスの場合,それを承継することになるのです。ですから,あなたと丙との遺産分割では,法定相続分では,あなたが3分の2になり,丙は3分の1なので,あなたに有利に見えるかもしれませんが,乙が法定相続分を超える生前贈与を受けているとき,つまり乙の具体的相続分がマイナスになっているときは,あなたの具体的相続分は,乙のマイナス分だけ,少なくなり,結果的には,丙の具体的相続分より少なくなるか,場合によっては,ゼロやマイナスになり,遺産分割では何も財産を得られないことになる危険があるのです。

注意すべきことです。
(日本法規出版「現在裁判法体系12相続・遺言42頁参照)

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菊池捷男
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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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