法令用語 「ないし」や「乃至」は使わず,「から・・・まで」を使う。
権限とは,権利の限界を意味する言葉です。
代理人が権限外の行為をした場合は,無効ですが,一定の場合にこれを有効とする表見代理という制度がありますが,その1つである民法110条は「代理人が権限外の行為をした場合において・・・」という用語が使われています。ここでいう権限外の意味は,権利行使の限界の外,という意味です。
一方 権原とは,権利の元,言葉を換えていえば権利発生の原因の意味です。
民法185条は「権原の性格上占有者に所有の意思がないものとされる場合は」時効取得はできないという規定があります。この規定の意味は,土地の占有者がいくら「所有の意思」をもって20年以上平穏公然と土地を占有していると主張して頑張ってみても,その土地の占有の権原が借地権ならば,「借地による占有」と「所有の意思をもった占有」とは両立しないので,時効取得は認めない,というのです。
ですから,同じ音ですが,権限と権原とでは,意味が異なるのです。