不動産 中間省略登記ができない理由
1,本人確認の方法
これは,売買による所有権移転登記手続をする司法書士には本人確認義務がありますので,その手法に学ぶのがよいと思います。
具体的には,
①顔写真付き公的証明書の提示を受けた上で,本人に,生年月日や干支を質問する。
②本人に対し,物件の特徴や周辺の環境について質問する。
③本人が成年後見人である場合は,登記事項証明書の交付を受けて,後見人から①➁の情報を受ける。未成年者の場合も同じ。
④売主が会社の場合は,商業登記簿謄本より代表取締役を確認した上で,代表取締役から①➁の情報を得る。
⑤その上で,売る意思の確認をし,記録を残しておくこと。
などが考えられます。
2,売主の能力確認の方法
老齢の売主の場合,売買契約が成立した後,家族から,売主には売買契約当時売買契約を結ぶ能力がなかったなどと言われることがあったり,売主が死亡した後相続人から売買契約無効を理由に訴訟が起こされることがあります。そのような事態が予見できる場合は,売主のすべての推定相続人(売主が亡くなったとしたらすぐに相続人になりうる人)から,売主が売買契約を結ぶ能力があることを証明する文書又は売主が売買契約を結ぶことに異議を言わないという文書をとっておくことが重要です。
3,登記簿上の名義人が,真の所有者でない場合
その場合は,買主は,有効に所有権を取得できません。
ですから,名義人が,真の所有者であることの調査も,困難ではありますが,重要です。