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著作権 10 新聞記事と著作物

菊池捷男

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テーマ:著作権

1著作権法10条2項
著作権法10条2項は「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項1号に掲げる著作物に該当しない。」と規定している。
これは、死亡記事や人事異動記事など誰が書いても同じになるような事実に忠実な報道のことを意味し、事実を基礎とした場合であっても,筆者の事実に対する評価,意見等を,創作的に表現している記事(社説やコラムなど)は、当然、著作物である。

2記事の見出しは、著作物か?
東京地判平16.3.24は、
X新聞社が、ホームページにおいてニュース記事本文及びその記事見出しを掲載していたところ、Y社が、X社のホームページである「X社ニュース」のウェブページにリンクを張り、その見出し語句と同一の語句を使用した行為を、当該記事見出しの無断複製が著作権侵害あるいは不法行為にあたると主張して、記事見出しの複製等の差止及び損害賠償を求めた事案において、
X新聞社の考え出した見出し、すなわち、
・「いじめ苦?都内のマンションで中3男子が飛び降り自殺」
・「「喫煙死」1時間に560人」
・「マナー知らず大学教授,マナー本海賊版作り販売」
・「ホームレスがアベックと口論?銃撃で重傷」
・「男女3人でトンネルに「弱そうな」男性拉致」
・「スポーツ飲料,トラックごと盗む…被害1億円7人逮捕」
・「E・Fさん,赤倉温泉でアツアツの足湯体験」
等は、いずれも、「慣用的な用法」「ありふれた表現」であるから,創作性を認めることはできないと判示し、また、不法行為にもならないと判示し、X社を敗訴させた。

しかし、その控訴審である知財東京高判平17.10.6は、
本件見出しは、著作権による保護の下にあるとまでは認められないが、Y社の一連の行為は社会的に許容される限度を超えたものであり、不法行為を構成するとして、Y社に対し、損害賠償の支払を命じた。

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菊池捷男(弁護士)

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